以前にもご紹介した「4号壁掛け黒電話」。
今回、お譲りできる「4号AW」が入荷しましたので、その前にこの「4号AW自動式壁掛電話機」について
その「4号AW(日立製作所製)」の写真とともに、いくつか説明したいと思います。
(1959年(昭和34年)日立製作所製)
終戦後、日本電信電話公社は名機4号A自動式電話機を採用し電話通話を著しく向上させたわけですが
当時、卓上式しかなく以前の電話ではあった筈の「壁掛式」は開発されませんでした。
日本の住宅事情からすると壁掛式の方が合理的であったにも関わらず・・・。
そこで日本電信電話公社(電々公社)は昭和28年、新型壁掛式電話の開発を「日立製作所」に要請します。
当時の開発評価書のコピーになります。
内容を読ませて頂くと、相当な苦労があり「4号Aの単なる壁掛け」ではないことが理解できます。
日本の資源と軽量化のためベークライトから「酪酢酸セルローズ」へ移行したり、日本人の唇から耳までの
距離を再考し、新たに軽量化もはかり開発した専用「5号送受器(受話器)」。
(当時、男女1,000人に及ぶ日本人からサンプリング測定したとのこと)
又、小型化された磁石電鈴に案外知られてない専用ダイアル4号改良型「4号F」と、これは同じ
4号電話でも「A」と「AW」とでは全くの別物であるということが分ります。
小型軽量化により、通常の卓上式の約70%の重量に抑えることに成功し通信性能も向上。
よく、共電式4号CWに4号Aのダイアルを移植したものや、受話器が同じく4号Aのもが付いているのを
よく見かけますが、それが全くの間違いであることを改めて感じました。
そんな次回は、その「日立製作所」製となります「4号AW自動式壁掛電話機」を詳細写真と共に
ご紹介します。