久しぶりの時計修理のせいか時打ち側の修理調整に相当な時間を費やした「精工舎スリゲル13号」。
専用治具に掛け慣らし運転中に外装は既に仕上げておいた。
箱の裏面に貼られた今でも残る、購入当時の時計店のラベルで昭和12年(1937年)製以前であることから、
既に85年もの年月が経過した時計であることが分かる。
当時は1年もの保証を付けて売っていたことも分かる希少なラベル。
早速、機械を箱にセットし振り子を振りながらの最終調整であるアンクル調整。水準器をあてながらの調整となる。
梟型と呼ばれる所以である振り子室。「SEIKOSHA」の文字も比較的に奇麗に残っている。
厄介なのが、このセルロイド製の文字盤。強い洗剤を使うと文字までもが剥げてしまうため、寸止めがいつも難しい。
各金具や木ネジ類も洗浄の上、磨きを掛ける。
あまり見えない真鍮製丁番までもを一応は磨きを掛けるいつものルーティン作業。
後、15年もすれば一世紀、100年選手のこの「スリゲル13号」。整ったこのデザインがスルゲルシリーズの中でも人気がある所以。
精工舎スリゲル13号:昭和12年(1937)/非売品