調整も終わりに無事に蘇った「精工舎/黒柿並スリゲル」。
文字盤の補色跡等を含め100年以上という歴史から考えると致し方ないのかも知れない。
凝った振り子の装飾も、このタイプは何故か3本の振り棒を巻く感じで曲げられてしまっているものが多いが
変形を出来るだけ修正し、両側の振り棒にハンダで固定し直して本来の形状へと戻している。
明治時代から関東大震災の年、大正時代まで製造されたこのユンハンスを模倣した「黒柿並スリゲル」は
その洗練されたデザインから人気も高い。
尚、「100年以上」と度々書いてはいますが、実は前期型と後期型が存在します。
見分け方はガラスの金装飾の柄の違い。
この凝った装飾は明治期の前期型で、大正期の後期型は簡略化されもう少しあっさりとしています。
従ってこの時計は明治期のものとなり、100年どころか「120年近く前」の時計になります。
後は上宮の中央の擬宝珠と下宮の3本の擬宝珠。何とかしたいところです・・・。