前回、ご紹介した「NEW HOME MIDGETミシン/USA製が入荷」以来、コツコツと仕上げました
「NEW HOME MIDGETミシン」。
アメリカの「New Home Sewing Machine Company」が1911年にMIDGETミシンのパテントを取得し、
その翌年の1912年製と思われます。
(New Home Sewing Machine Companyについては以前の記事:100年前のミシン/New Home Sewing Machine をご参照)
手を入れて行く過程で、欠品らしきものはただ一つ、弾丸シャトル型の下糸ボビンケースを覆うスベリ板のみだと
言うことが分り、他は全て揃っていることが判明する。
但し、そのスベリ板の再生に手を焼く。
素材は加工しやすいアルミで製作。色は違えど何とか形にはなる。
そして、早速試し縫い。
幾度となく調整を繰り返し何度もチャレンジしてみるも満足のゆく縫いが出来ない。
上糸の糸圧と下糸の糸圧のバランスがとれず手こずる。
これについては、もう少し時間を掛け試し縫いをする必要があるようで、とあえず縫えることのみを確認。
木製ケースについては角の部分の禿げを捕色程度で押さえ、金具類も錆を落とす程度で当時の趣を残し
後は蜜蝋で磨く程度で仕上げております。
金具もご覧の通り磨きのみです。
左下の調整ネジは縫い幅調整用になり、奥には小物入れが存在します。
こちらはヘッドの裏側。
下糸巻き用のゴムは当時のままですが当然、使用可能です。
実はこの「NEW HOME MIDGETミシン」を完全コピーした日本製ミシンが当時、存在しておりました。
当時の「PINEミシン」。現在のジャノメミシンの前身ですね。
話は戻り、ヘッド部分については金装飾の剥げは当然見受けられますが写真の通り、現存率は103年という
経年の割には高い方だと思います。
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