その独特な名称とT.T.式と呼ばれる6項目の特徴を持つ「IDEAL」。
大正11年のカタログ
先ずは文字盤の補色とスモールセコンド部文字盤の張替え。
文字盤のフォントからすると昭和初期のものと推測する。
スモールセコンド部については前のオーナーが手書きで作ったと思われる。
文字盤の修復時間を利用し、そのT.T.式の機械の調整。
確かに左右に少し傾けても時を刻み、通常の発条式(ゼンマイ)で見られる全巻き状態から
解放に近づくにつれ若干、時計が遅れるという現象は無いように思えることと、当時は「虫付」とか「小秒針付」
と呼ばれたスモールセコンドも「1周60秒=1分」を守っているように思う。
(通常、掛け時計のスモールセコンドは正確ではない)
背板のラベルも残っていたので、劣化防止のためクリアーを吹き付け保護しておく。
(上部の愛知時計のラベルは後年、貼ったものと推測されこの辺りから廃業間もない頃と思われる)
各金具類はクリーニングと磨きを掛ける。そして、本体右脇にはゼンマイ鍵ようのホルダーを備える。
大正時代に創業の「小栗時計製作所」。
当時、画期的な時計を開発するも残念ながら終戦後間もなく廃業。短命な時計製造メーカーでした。
ほぼ70年以上経過していますが今でも「T.T.式」で元気に可動。
小栗時計製作所:アイデアル グレッシャム 13寸(文字盤10寸)/昭和初期 非売品
生き返った時の嬉しさは何とも言えないですよね。
スモールセコンドについて、20秒で一周は少し極端にしろ
ほぼ正確に1分を刻む個体は今まで見たことがありません。
振り子室が見えない分、ちゃんと振れてるかの確認程度と思った方が宜しいかと存じます。
掛時計の修理を趣味でおこなっているものです。
高野時計を手に入れて初めてスモールセコンド付きだったのですが、これが20秒ぐらいで一周してしまうもので輪列改造されてこうなっているのか調べていました。
HPでそもそも掛時計のスモールセコンドが正確ではないとのことをしって助かりました。