先日運び込まれた時計の内、先ずは「精工舎」から手を付ける。
こちらは機械的にも観るからに問題は無さそうで振り子も備わっていて、いつものルーティン作業。
間もなく息を吹き返し、暫く様子を観るため馴らし運転。
この時計の特記すべきところは文字盤に書かれた広告「家族染料/音羽染」の文字。
1950年頃までは当たり前のように一般家庭でも布染めが行われていた時代。
「音羽染」については資料が無いため詳細は分りませんが、この広告文字盤が、この時計を
一層引き立てています。
針押えの形状からすると昭和初期頃と推測されます。
宮部分の飾りも残っております。
唯一、残念なのが振り子室の下部の化粧木材が欠損していてガラスを縦に三本、化粧で
付いていたであろう真鍮棒押えも無いところです。
実はこの文字盤とまったく同じ、広告無しの無地文字盤も偶然ストックしておりました。
もし、入用の方は同時にお問い合わせください。
精工舎掛け時計/ SOLD OUT