素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「爆買い」を経済の活性化と単純に喜んでいていいのかな?

2015年11月13日 | 日記
 朝のニュースで、 オーストラリアで最も販売量の多い粉ミルクブランドであるカリケアが、中国人や中国系の客による大量購入で品不足となっていて地元の母親がスーパーで粉ミルクを買えない事態が起こっている。と伝えていた。

 大型スーパーでは別のブランドであるベラミーの品不足も起こっており、親になったばかりのオーストラリア人夫婦がスーパーやドラッグストアを何軒も回っても、求める商品がないことがあると嘆いていた。
 原因は、自国の粉ミルクに有害物質が含まれているのではという不信と不安感を持つ中国人による爆買い。買い占められた粉ミルクは法外な値段がつけられて中国の店やネットで販売されるが飛ぶように売れているという。

 「これが資本主義の持つ掟か!」と複雑な思いにかられた。人類間の争いの根本にあるのは「水と食料」である。生きるために不可欠なものをいかに獲得するかがということからは逃れることができない。膨大な人口を抱える中国が自国内で国民が安心できる水や食料をまかえないということは他国との紛争の火種になりかねない。

 今度は新聞を見ると《インバウンド旋風~爆買いの裏側~》という特集である。深夜の大阪・ミナミにあるドン・キホーテ道頓堀御堂筋店の深夜の店の様子が写真とともに書かれてあった。客の大半は中国などからの訪日外国人(インバウンド)とのこと。「そうなんだ!」とこれにも驚いた。
 今、選挙戦の真っ最中である大阪ダブル戦の演説の中でも、このことを経済が活性化したと成果として強調されている陣営もある。「儲かればいいではないか」という声に「ダメ」とは言えないが『資源、物は有限である』という大原則を考えると一抹の不安がある。

 そういう意味でも、シリーズとなって経済面に掲載されていくこの特集はしっかり読んで考えていきたい。

 粉ミルク騒動は他国の話と言ってられないことになるかもしれない。原因は違うだろうがバター不足の問題はまだ解決されていないみたいである。

 「砂上の楼閣」という言葉が頭をよぎる事象が増えてきた。

 
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