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何とも言えない悲しみ『悪人 上・下』by吉田修一

2015年01月09日 | 小説レビュー
『悪人 上・下』by吉田修一

~九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。
母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日々。
そんな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か―。「BOOK」データベースより


妻夫木聡&深津絵里で、映画にもなった「悪人」


妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、塩見三省、余貴美子、井川比佐志、松尾スズキ、宮崎美子、永山絢斗、樹木希林、柄本明・・・。
もう、スゴいキャストでしょ! それの監督・脚本が「フラガール」の李相日、音楽が久石譲ですよ! 良くない訳ないでしょ!?

映画の予告プロモーションも良い出来です!


吉田修一さんの作品は読んだことがなかったのですが、図書館で目にとまり、思わず手に取ってしまいました。

上下巻なのですが、あっという間に読ませてくれました。 特に下巻のクライマックスあたりから、「がんばれっ!二人っ!」と、応援したくなりましたよ。

吉田修一さんの書き方が絶妙で、色んな人の視点というか、登場人物全ての人に深い存在意義があって、一人ひとりの人物背景というか深層心理に、ちゃんと丁寧にスポットが当ててあり、読んでいて「んっ?なんやこれ?」というモヤっとした気分には一切なりませんでした。

最後のそれぞれの語りの部分で、「そうやったんやなぁ・・・」と、本当に涙がこみ上げてきましたよ。

映画で観たら、それはとても良い作品になっているんやろうなぁと、色んなレビューを見て思います。

なかなかの秀作でした。読んで良かったです。ファンになりました。他の作品も読んでみたいです。

★★★★☆4.5です!