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これが20年前に!「天空の蜂」by東野圭吾

2015年04月29日 | 小説レビュー
~奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。
無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。
日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。
そしてヘリの燃料が尽きるとき…。驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。「BOOK」データベースより


東日本大震災によって、世界中の人々に与えた「原子力発電所は必要なのか?」という難題、現在も様々な角度から検討されています。

東日本大震災から4年が経った今、川内原発再稼働の動きもあり、何となく原発の危険度に対する意識が薄れ行く流れの中で、ものすごく考えさせられる作品を読むことができて良かったです。

この「天空の蜂」が、最近、上梓されたものならわかりますが、なんと1995年、阪神大震災の年に書かれた作品だそうです。(発刊は1998年)

1998年当時かどうか忘れましたが、俳優の高橋英樹が「原子力発電所は安全です」なんて、笑顔でコマーシャルに出ていたこともあったんですからねぇ。今から思えばナンセンスなCMですよ。

東野圭吾作品を読むたびに、毎回毎回、感じることですが、この作者はホンマに天才ですな!20年前に書かれたなんて全く思いませんよ!

原子力発電所には、「軽水炉タイプ」と、「高速増殖炉タイプ」があることすら、あまり気に留めてなかった自分が恥ずかしいです。

今一度、エネルギー問題について考えてみようと思いました。

★★★☆3.5です。