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伏線回収率70%(´Д`;)『修羅の終わり』by貫井徳郎

2016年06月17日 | 小説レビュー
~「あなたは前世で私の恋人だったの」。謎の少女・小織の一言を手がかりに、失った記憶を探し始める。自分は一体何者だ?姉はなぜ死んだ?レイプを繰り返す警官・鷲尾、秘密結社“夜叉の爪”を追う公安刑事・久我、記憶喪失の〈僕〉が、錯綜しながら驚愕のクライマックスへと登りつめる、若き俊英の傑作本格ミステリー。「BOOK」データベースより


『慟哭』に続く、貫井徳郎氏の2作目です。『慟哭』は、まさに「衝撃のラスト」やったんで、今回も期待しながら読みました。

790ページにわたる長編小説なんですが、「叙述トリック(文章上の仕掛けによって読者のミスリードを誘う手法。登場人物の性別や国籍等を意図的に伏せることで、読者の先入観を利用し、誤った解釈を与え、読後の衝撃をもたらすテクニック)」の巧者として名高い貫井徳郎氏の作品なので、最後の大どんでん返しに期待しながら読み進めました。

3人の人物の物語が、別々に進行していくストーリー(慟哭は2つの物語が同時進行)で、一回一回の話の区切りが短く、スラスラと読めます。

それぞれの物語が進むにつれ、疾走感と緊張感が増していき、張り巡らされた伏線が絡み合い、「いよいよ、3つの物語が結びつくでっ!」と、期待しながらクライマックスを迎えました。

しかし、結末は・・・、「まぁそれはわかっていたけど・・・」という感じで、『慟哭』を超えるような衝撃はありませんでした。

伏線回収率も70%ほどでしょうか?クライマックスを迎えるまでは、「これは期待できる!」と思って読んでいただけに、最後の落胆も大きく、「あいつは何者?」とか、「あの伏線は意味なかったんちゃう?」など、?が残る終わり方で残念でした。  

よって、★★★3つです。