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シリアスなのにホノボノ「食堂かたつむり」by小川糸

2016年12月18日 | 小説レビュー
~おいしくて、いとおしい。同棲していた恋人にすべてを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、倫子はさらに声をも失う。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな食堂を始める。それは、一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂だった。巻末に番外編を収録。


図書館で予約注文している小説が中々こなくて、家にあった「食堂かたつむり」を読むことにしました。

中学卒業後、田舎を飛び出し、都会で料理人として10年あまり修業をしていた女の子が主人公です。

インド人の彼と充実した生活を送っていた彼女でしたが、突然トラブルに遭い、泣く泣く実家に出戻り、そこで再会した温かい田舎の人たちと料理を通じて交流しながら、徐々に活力を取り戻していくというストーリーです。

人の死や、別れなど、書き方を変えればシリアスな人間ドラマが描ける題材ですが、小川さん流に、美味しそうな料理のレシピと、おだやかな人たちのセリフによって、ゆる〜く描かれています。

まぁ、ゆる系の小説なので、劇的な変化も、ある程度こなれて、ツラツラと進んでいき、最後にはある意味でのハッピーエンドを迎えます。

「まぁ、こんなもんでしょ」という感想で、
★★★3つです。