~季節が変わるごとにたくさんの転校生がやってくるニュータウンで、クラスの立場も性格も、正反体の女の子と男の子が出会う―。学校が嫌いだった人たちへおくる、教室の物語。「BOOK」データベースより
『コンビニ人間』、『殺人出産』、『生命式』という、人間の常識をぶち破り、新しい価値観、新しい普通を生み出し続けている、村田沙耶香さんですが、僕の好きな作家さんの一人です。その村田さんの作品の中でもレビュー上位にあるのが、この『しろいろの街の、その骨の体温の』なんですね。 タイトルからも、何となく村田さんの世界がふわ~っと広がるような気がして借りてきました。
主人公の女子「結佳」が小学生から中学生に上がるまでの成長の過程を描いています。学校、クラス独特の階級制度が敷かれている残酷な現実の中で、下位グループに所属している結佳が、思いを寄せる男の子「伊吹」との微妙な関係が書かれています。
相変わらず村田さん独特の「薄気味悪さ」は漂っているものの、何とく間延びした感じで、ダラダラと進んでいきます。
結佳の感情が歪みすぎていて、もちろん感情移入は出来ないんですが、ストーリーとしても、惹かれるものが少なく、本当にダラダラと読み終えました。
最終的にハッピーエンド?と言える内容なんですが、それもまた、「う~ん…?」という感じで、あまり良い感想は得られませんでした。
村田さんの作品としては、初めての不合格点でしたね。
★★☆2.5です。