まわる世界はボーダーレス

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東京オリンピック招致の実現の可能性

2011-06-20 00:43:45 | オリンピック

東京都知事が、またまたオリンピック招致に
向けて動き出しましたね。「日本開催を目指す
たいまつを消さずにともし続けることは、
我が国の将来にとって大きな意義がある」と
6月17日の都議会定例会の所信表明で述べた
そうです。

「9年後の姿を披瀝するならば、世界中から
寄せられた友情や励ましへの返礼となるに
違いない」とも語ったそうです。

9年と言えば、関東大震災の時も9年で東京
が完全復興を遂げたのだそうです。たまたま
先日、墨田区横網町の復興記念館を訪問した
ので知っているのですが、今とは時代背景も
違うし、政府の対応も違う。また、原発の
問題とかなかなか解決できそうもない問題も
山積しています。

上の写真は2009年にコペンハーゲンでの
2016年開催地選考の時の東京都知事の
プレゼンテーションの時のもの。第一回の
投票に残ったものの、第二回目の投票で
敗退。リオデジャネイロが2016年開催地に
決定します。そこで相当な敗北感を味わった
はずなのに、再度のリベンジですね。
それもかなり無謀なリベンジです。

東京のプレゼンに関してはブログなどを見る
と評価は高そうに見えるのですが、私が
個人的に見る限り、東京のプレゼンは最悪
でした。大義もなく、論理もなく、プレゼン
手法も、演出も、言語表現能力も落第でした。

その時の十分な反省もないままにまた無謀に
も挑戦しようとしています。ちょっとこれに
関しては、正直皆さんどう思っているので
しょう。東京都民の皆さん、都民でない
皆さん、また被災地の皆さん、この招致に
関してどのように思っているんでしょう。

今日の読売新聞の社説を見てみたら、この
五輪招致には賛成のような事が書いてありま
した。だいたいこれに勝つ可能性が本当に
あるのでしょうか?

「都は、16年五輪のために積み立てた約
4000億円の基金を今も保有している。交通
機関や宿泊施設など優れた都市機能がある。
治安の良さも広く知られている」とその社説
は書いているのですが、もし4000億円の金
があるんだったら、むしろそれを直接復興に
使うべきなんじゃないのだろうかという疑問
が湧くし、東京の交通機関が世界に誇れる
というのは本当なのかという疑問とか、治安
の良さも本当にそうなのかいなと思ってしま
います。

福島の原発の安全性は本当に保証できるのか、
空中や海を汚染する放射能は本当に大丈夫
なのか、関東地方での地震は今後9年間、
起こらないと保証できるのか、テロがもし
仮に東京で企てられた場合、未然に防ぐ力は
万全か、震災の被害者たちはここ数年の内に
完全な生活力を取り戻せるのかなど心配の
種はいくつもあります。

またオリンピックと復興とを絡めるのが果た
してよいのかという疑問もあります。前回の
時にも、オリンピックと環境とを無理矢理に
重ねてアピールしたのですが、オリンピック
はあくまでもスポーツの祭典であり、これに
あまり政治経済的な意味を持たせすぎても
いけないのではないかという気もします。

前回の招致活動で招致委員会理事だった
荒木田裕子さんは「一回ダメでもチャレンジ
するのがアスリート。前回負けた瞬間から、
もう一回と思っていた。(中略)五輪招致は
アスリートと被災地の皆さんが一つになる
良い機会だと思う」とコメントしておりま
した。こういう綺麗ごとだけで五輪招致を
することは間違っているという気がします。



コペンハーゲンでのプレゼンに参加した
皆さんは、まるで鳩のようにキョと
キョとしていた鳩山さんをはじめ、プレゼン
はすべりまくっておりました。あまり厳しい
こと言っても可哀想なので、このへんに
しておきましょう。

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コメント
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