『あなたの人生の物語』
テッド・チャン
SF界隈で人気の作家テッド・チャンの、デビュー作ですね。
というか、超絶寡作な作家さんなので、
作家生活35年にして2冊しか刊行されていません。
おお、そのつもりがなかったのにコンプリートしてしまった。
(『息吹』は4年前に読んだ)
しかし表題作はそんなによくなかったなあ。
SFパートは知識に裏打ちされていて、「凄い」のだと思う。
まだ見ぬ地球外生命体の言語表現や思考法の複雑さが
フェルマーやら光の反射やらと共に
深く描かれているのだと思われます。
よく理解できてないけど、きっと「凄い」のだろう。
でもなあ。
母と娘の話しはなあ。
典型的な思春期すぎやしないか。
母親としての挙動も薄いというか現実感がないというか。
うーん、まあ、こんなもんかなあ。
そして!
一方で!
冒頭に収録されている『バビロンの塔』!!
めっちゃ良い!おもしろい!!
シュメール文明時代に、文字通り天まで届く塔を
建設した「人間たち」のお話し。
こういう寓話っぽいというか、マクロ視点の物語の方が
人間を描くのに向いているタイプなのではなかろうか。
『息吹』でも同様の感想を抱いたけど。
ところで、バビロンの塔といえば
ブリューゲルが書いた円形建築のイメージですが。
聖書に書かれているバビロンの塔のモチーフは
古代メソポタミア文明のジッグラトという
四角形の大型建築(神殿)だと言われています。
この小説のバベルの塔、ちゃんと平面が四角いんだな。
さすが〜!
塔内部の勾配を登る詳細もリアルでおもしろい。
てっぺんに登るまで4ヶ月もかかるから
物資の運搬はリレー形式。
で、一定数の人間が塔の内部に住んでいるとか。
その生活の様子も良い(器用に野菜を育てているし、
なんなら子供も育てている)。
こういうの、好きです。
凄く良い!
あとはめちゃくちゃ頭が良いのに
めちゃくちゃ気鬱気味な知識人の話しは
妙なリアリティがありますね。
作者に近い人間像なんだろうか。
まあ、ゴリゴリハードSF界隈で人気なのはわかる気がします。
もう一冊くらい読みたい。
テッド・チャン
SF界隈で人気の作家テッド・チャンの、デビュー作ですね。
というか、超絶寡作な作家さんなので、
作家生活35年にして2冊しか刊行されていません。
おお、そのつもりがなかったのにコンプリートしてしまった。
(『息吹』は4年前に読んだ)
しかし表題作はそんなによくなかったなあ。
SFパートは知識に裏打ちされていて、「凄い」のだと思う。
まだ見ぬ地球外生命体の言語表現や思考法の複雑さが
フェルマーやら光の反射やらと共に
深く描かれているのだと思われます。
よく理解できてないけど、きっと「凄い」のだろう。
でもなあ。
母と娘の話しはなあ。
典型的な思春期すぎやしないか。
母親としての挙動も薄いというか現実感がないというか。
うーん、まあ、こんなもんかなあ。
そして!
一方で!
冒頭に収録されている『バビロンの塔』!!
めっちゃ良い!おもしろい!!
シュメール文明時代に、文字通り天まで届く塔を
建設した「人間たち」のお話し。
こういう寓話っぽいというか、マクロ視点の物語の方が
人間を描くのに向いているタイプなのではなかろうか。
『息吹』でも同様の感想を抱いたけど。
ところで、バビロンの塔といえば
ブリューゲルが書いた円形建築のイメージですが。
聖書に書かれているバビロンの塔のモチーフは
古代メソポタミア文明のジッグラトという
四角形の大型建築(神殿)だと言われています。
この小説のバベルの塔、ちゃんと平面が四角いんだな。
さすが〜!
塔内部の勾配を登る詳細もリアルでおもしろい。
てっぺんに登るまで4ヶ月もかかるから
物資の運搬はリレー形式。
で、一定数の人間が塔の内部に住んでいるとか。
その生活の様子も良い(器用に野菜を育てているし、
なんなら子供も育てている)。
こういうの、好きです。
凄く良い!
あとはめちゃくちゃ頭が良いのに
めちゃくちゃ気鬱気味な知識人の話しは
妙なリアリティがありますね。
作者に近い人間像なんだろうか。
まあ、ゴリゴリハードSF界隈で人気なのはわかる気がします。
もう一冊くらい読みたい。
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