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旅行記、世相独言

東北・山形の旅 (その2)銀山温泉 & 最上川下り & 温海温泉・萬国屋

2018年08月21日 17時23分28秒 | JALどこかへマイル
(写真はクリックで拡大します)
東北・山形の旅

その2.銀山温泉 & 最上川下り & 温海温泉・萬国屋/font>

2018.07.21


 上山温泉・古窯を10時に出発、山形上山ICから東根ICまで建設中の東北中央自動車道を走り、そこからは山形北バイパスを一路北へ尾花沢まで、そこから347号で銀山温泉を目指す。銀山温泉までは74㎞、1時間半ほどのドライブである。
 東北地方は今、至るところで高速道路の整備が進んでいるので、最新のナビが役に立つ。また、無料開放区間も多いので、旅行者にとっては大いに助かる。
 尾花沢はスイカの一大産地のようで、道路の両側にはスイカを売る店が多々見受けられる。

 赤囲いが今回の訪問地(今日は上山温泉-銀山温泉-最上峡-温海温泉)

 駐車スペースに一抹の不安を抱きながら銀山温泉に車を進めると、案の定渓谷沿いの温泉街には駐車場がない。
Uターンして日帰り入浴利用者専用駐車場に車を置き、徒歩で車道を下っていくと、突如渓谷沿いに軒を連ねる温泉街が出現する。
 銀山温泉は、かつて江戸時代初期の大銀山として栄えた「延沢銀山」の名称に由来し、大正2年銀山川の大洪水で壊滅的被害を受けたが、新たなボーリング等で湯量も確保し、大正末期から昭和初期に洋風木造多層の旅館が銀山川の両岸に建てられ、今日大正ロマンの独特な景観を醸し出している。
 延沢銀鉱洞は、江戸時代初期には日本3大銀山の一つとまで言われ、廃坑ながら現在国指定史跡となっている。他ではあまり見ない焼き掘りという採掘跡が見れるようだ。また、銀山温泉は江戸時代の「諸国温泉功能鑑」にも名を連ねている。

  
車道を下っていくと渓谷沿いに屋根が    銀山温泉散策マップ           よく見慣れた銀山温泉の景観

            
         大正ロマンを売り物にする家並         若い女性に衣装貸し出し  
 
            
         一際立派な能登屋旅館     江戸時代の温泉番付(右・東国上から4段目「最上銀山湯」)
 
 現在13軒の旅館が軒を連ねているが、正直各旅館の維持管理には大きな程度差が見られ、今後の景観維持に苦労されるのではないかと心配する。

  
  風格のある古山閣        古山閣の͡鏝絵(こてえ) 左手前はガス燈       鏝絵の解説

 今回は行っていないが温泉街の奥に白銀の滝、さらに延沢銀山見学坑(無料)がある。また、山形が生んだ近代歌人斎藤茂吉も当地に投宿時「蝉のこゑ  ひヾかうころに 文殊谷 吾もわたりて 古へおもほゆ」という歌を詠んでいる。

            
      銀山温泉入口に近い和楽足湯         散策マップ     

  
     延沢銀山見学坑(無料)         白銀の滝          山形が生んだ歌人斎藤茂吉の歌碑

 銀山温泉から再び尾花沢に戻り、東北中央道で北上、新庄あたりから47号線で最上川沿いにJR陸羽西線髙屋駅に向かう。約55㎞、1時間ほどのドライブである。
 髙屋駅の下の岸辺が今回利用する「最上川舟下り義経ロマン観光と仙人堂」の発着所である。到着したのが13時5分。なんと13時発の船が出た直後。次は14時とのことで、車で数分先に白糸ドライブ・インがあると言うのでそちらで時間調整する。最上川に流れ落ちる白糸の滝が対岸のサービスエリアからよく見える。
 最上川下りには、もう一つ候補があった。それが「最上峡芭蕉ライン観光」で、髙屋駅の一つ上流側「古口駅」から髙屋駅の下流、白糸の滝より更に下流側「草薙港」まで約12㎞を1時間で下る航路だ。ただ、これを選択すると草薙港で下船後、古口駅まで路線バスで戻る必要がある。一方、義経ロマン観光は、乗降所が同じで、航路は短いが仙人堂に立ち寄る1時間のプラン、マイカー利用の我々には有難い。値段はほとんど同じで2400円ほど。
 
  唯一山形県内だけを流れる最上川、全長229㎞は全国7位。平安時代から始まったとされる最上川の水運は、山形の経済発展に大きく寄与してきた。

          
最上川下り 2つの手段                「最上川舟下り義経ロマン観光と仙人堂」のコース

      
髙屋駅(無人駅)駅前駐車場    白糸ドライブインから見る白糸の滝    乗船場辺りの水量

 午後2時の便には、数名の男性客と我々夫婦と1組のカップルのみ。芭蕉が「五月雨を あつめて早し 最上川」と詠んだ最上川であるが、ここ2か月近く雨らしい雨が降らないので水量が激減、日本3大急流(球磨川、富士川)も形無しで、来月の東北祭りに向け沢山の予約が入っているが、このままだとどうしようもない、とこぼすガイドのおばさん。それでも、饒舌なユーモアたっぷりの案内・解説は大したものだ。
 出港した舟は、川をさかのぼりしばらく行くと早瀬に遭遇、ここで旋回して流れに乗って下るのだが水量が減っているため船底が岩を擦ることしばしば。水しぶきを浴びながら川を下り、出航場所の対岸の仙人堂に横付けされる。仙人堂は義経一行が立ち寄り従者の常陸坊海尊が建立したといわれ、一方松尾芭蕉は、紀行文「奥の細道」に「白糸の滝は青葉の隙々に落ちて、仙人堂、岸に臨みて立つ。水みなぎつて舟危し」と記している。

  
水量を嘆く話術巧みなおばさん     上流から最上峡芭蕉ライン観光の船が  先方は満席状態(車でなければお勧め)

  
水量が通常レベルだと結構迫力が         舟は仙人堂へ      義経従者の常陸坊海尊が建立した仙人堂

             
             源義経像             芭蕉も奥の細道で仙人堂に立ち寄った

 最上川下りを午後3時に終え、庄内地方を日本海に向け鶴岡街道を西進、鶴岡西ICから日本海東北自動車道で温海温泉ICへ、およそ60㎞のドライブで、午後4時15分頃に今宵の宿舎「温海温泉・萬国屋」に到着。
 萬国屋は、翌日の羽黒山詣でとの関連で、多くの旅行代理店が高評価を与えていた旅館なので選定したが、正直ただ規模のでかい並みの温泉宿に過ぎず、コスパは極めて悪いと感ずる旅館であった。
 例えば、これは使ってみて初めてわかったことだが、1階と3階にある大浴場。1階は沢山の浴槽と大きな露天風呂を有する男女入替制の桃源山水、3階は男女別の普通の大浴場。
 夕食前に女房と3階のお風呂に行ったが、男はこのままだと1階のお風呂が使えないと思い、3階を早めに切り上げて1階へ。すると3階とは比べ物にならない気持ちの良い大きなお風呂が待っていた次第。そう言った案内・説明は一切なし。
 また、食事は一応会席料理なのだが、会場が広くて沢山の人の出入りで落ち着いた食事ができない等、とてもいいおもてなしが得られる旅館ではない。

  
温海(あつみ)温泉・萬国屋        お品書きと風呂案内        ブッフェ会場の如き会席料理のスタート

 翌朝、10時にチェックアウトし、最終日の目的地「羽黒山」に向かった次第である。



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