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インフレ化する緊急情報(避難指示・避難勧告・避難準備情報)

2013年09月16日 12時16分59秒 | 日記(昨日記・今の思い考え・行動・情況)
台風18号による影響で、大雨の特別警報が出された。

特別警報は、気象庁のHPによると「重大な災害の危険性が著しく高まっている場合、新たに「特別警報」を発表し、最大限の警戒を呼び掛けます。」とあり、例えば大雨では「数十年に一度の大雨」と例示している。

それ以外に、各地で自治体から避難指示・避難勧告・(避難準備情報)、等が次々と発令されているが、この避難指示・勧告は、災害対策時本法で規定されている。
避難指示のほうが避難勧告より緊急度が高く、噴火等で警戒区域が設定された場合は罰則も設けられている。

ところで今回、避難指示だけでも、例えば、9月16日に京都市桂川の氾濫やその他の浸水にに備え、26万人を越える住民に出された。
その他の府県も同様、大量の住民に対し、避難指示や勧告が出されている。

避難勧告は、避難指示より緊急度が緩い。
その分更に多くの住民に出されている。
ただでさえ、住民には避難指示と勧告の区別がつきにくい。
行政にすれば、勧告が出れば避難所を用意しその体制をとりますよ、ということなのだろう。

報道で映し出される避難所には、数十人のお年寄りや子供連れの家族が、学校の講堂などに避難している映像が映し出される。
何万人の住民に避難指示が出たからといって、避難する人や車で京都市街の避難所への道が混んでいるという報道は無い。

一般市民・住人は、大雨による避難指示や勧告に対しどのように対応すれば良いのか分からない人が多いだろう。
現在では多分ほとんどの人が、地震津波はともかく、大雨に関しては、狼少年のように何も警戒しないという姿勢になっているのでは無いだろうか。

この住民の対応は、常識的なものではないかとも思われる。
多分山間部に住んでおられる方は、避難指示には敏感に反応するであろう。
土石流や、地すべりや山崩れで人命に係わる被害を受ける可能性があるからだ。

しかし市街地においては、経験的に大洪水に見舞われるのはどの程度なのだろう。
現実に避難指示が出ている京都では、現在桂川が氾濫水域を越えて浸水しているというが、一部川べりの浸水地域の旅館等の関係者が、避難している程度に過ぎない。

例えば淀川の堤防が決壊すれば、堤防の高さや淀川の広さとその流量から、甚大な被害や犠牲者を出すことは容易に想像できる。
そうした場合は、避難指示を出し、全住民を危険地域から脱出させることが必要だろう。
避難指示を出す場合は、最悪の場合、具体的にどの範囲にどのような被害が出るのか明示すべきと思う。

避難指示や避難勧告は、TV等で大々的に緊急事態として扱われる。
何十万人にも避難指示を出しても、現実に予想される被害も浸水程度であれば、緊急報道による避難指示と現実のギャップが大きすぎるし、現実にほとんどの人は避難していない。

今のように避難指示を役所の責任回避のために大量に乱発しすぎると、肝心の時に避難指示の効果が出なくなるかもしれない。

避難指示・勧告・準備情報は見直し、本当に人命に対する危機が差し迫っている場合には、別に強制的に全員避難をさせる避難命令のようなものを作るべきかもしれない。
緊急情報が、インフレ化しては意味が無いのだ。


参考:避難指示 (ウイキペディアより)
避難指示(ひなんしじ)は、対象地域の土地、建物などに被害が発生する恐れのある場合に住民に対して行われる勧告。
災害対策基本法第60条では「災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるとき」でかつ避難勧告よりも緊急度が高い場合にすることができる。罰則は災害対策基本法63条により設定された警戒区域に権限なく立ち入った場合に適用される。判断は市町村長が行い、市町村長が行えない場合は都道府県知事が代行する。市町村長が指示できない場合や、市町村長の要求があった場合、警察官と海上保安官が避難を指示できる。
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