
病院の裏木戸の上に燕のつがいが巣作りをしていた。
燕の巣作りは縁起が良いと言われている。病院の入口に巣作りとは燕よお前はエライよ。
昨日の爺の電話で5月2日に退院が決まった事を担当医から聞いたという報告があった。まだまだ左側に力はないと私には見える。しかし本人は歩けるんだから担当医の承諾が出たのだと言いはっている。
本人はもう一刻も早く帰りたくて仕方がないのだろう。だから物事をいい方にしか解釈しないのである。
リハビリを頑張っている爺に「ほらチャンと歩けるだろ?」と言われても返事の仕様に躊躇する。
意識しないと左手も使わないし足も意識なしでは前に出ないのではないかと思う。
リハビリ専門病院に紹介状を書いてもらいましょう…というと不満のようだ。病院はもう嫌だという気持ちはよく分かるのだが、これからの過ごし方で違いが出てくるのは分かりきっている事である。
明日の午後4時に担当医にアポを取って三人で話し合うことに決めてきた。
病院ではもう点滴も薬も出さなくてリハビリ治療だけになるとある程度よくなると退院ということになるのだろう。その状態で家に帰ってきてしまったら動きはそこで止まってしまうと私は思う。
本人は帰りたい一心だが、このままではどこに行くのにも私は付き添わなくてはならないし、自分自身も行動範囲が狭くなってしまう。息子たちにはもうこれ以上心配はかけたくない・・・・
入院してずっと担当医やリハビリ士さんとは私が前面に出て話し合ってきたが、もう気力を取り戻した爺は自分の考えで話を進めるだろうし私に口は出させないと思う。
ここで私が 勝手にしろ!と言ってしまったら終わりになってしまう。本人が不自由な思いをするだけでは済まされない…かと言って私の考えを通そうとすると今の立場だと爺は違った解釈をするだろうと思う。
どのような誤解をされてもいいから今回は私の強気を発揮しなくてはならない。爺はきっとハラハラするだろうが担当医との話し合いには口を出さずにはいられない。まずはリハビリ専門病院への紹介状を書いて戴こうと思っている。