体が動けなくなって2ヶ月寝ながら考えることは、身の回りがきちんと整理されていないことだった。このまま寝たきりになったら私の仕事部屋や物置の和ダンスのたくさんの着物類は整理して捨てるのに大変なことであろうとそんなことばかり考えていた。
昔の仕事がらみの金属製の部品などもいつか使うかも?と思い多少は残してある。女の欲とでも言おうかさっぱり捨てきれず高価な物ほど手の届くところに置いておきたいのだ。 でももう使うことはないと本人にはわかっている。
そこで少し動けるようになったので、早速仕事部屋の何年も開かずの本箱の整理をすることにした。ほとんどが仕事用の本や図案だが何年も積み重ねていたので湿っていた。
大勢の仲間が製作した作品の写真を見始めると手が止まり、元気に張り切って楽しんでいたあの頃を思い出す。1日が24時間では足りないといつも思っていた頃のあの活気ある生活がよぎる。
家族が寝静まってからが私の仕事時間なので夜更かしが多かったが、楽しい日々だった。
まずは念願の部屋の模様替えのため。1階の仕事部屋の荷物を減らして2階に移動しなければならない。ほとんどが捨てる物なのだ。金属製の物はあとにして今日は本類だけにする。
何のためなのか染料まで奥の方に残ったいた。この始末は大変だ!中身は出して洗ってビン類に分けねばならない。シンナーやアルコールのビンも出てきた。
これだけ出しても戸棚は二段しか整理できない。この時点でもう体が動かなくなる。本類は重い!持てない!
やり始めると止まらない性格だが、もう限度と思い終了とする。
←たったの二段しか開かない。
この様子を見に来た爺に「いいかげんにしろ!」と大声で怒られた。自分でもいけない事と分かってはいるがじっとしていられないのだ。早くさっぱりと整理したい。今度は一段づつにしよう!今日は痛いのでお休みとなる。