いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

アスファルトの道 63編

2005年09月02日 08時27分21秒 | 娘のエッセイ
 「私が結婚するって知ったらさ『当然、家庭に入るんでしょ』みたいなこと、
おばさんたちがい言うのよ!アッタマきちゃう!」

 やり手の保険外交ウーマン、T子が逢うなり愚痴る。「なんで、同じ女性の足
をひっぱろうとするのかしらね。どうして応援してくれないんだろうね」「世の
中、そんなものよ」と言いながら、私自身もクラークなる。

 学校を卒業した後、社会勉強と称して2・3年腰掛けで働く。そして結婚して
専業主婦へ。さらに家計に頭を悩ましながら何人かの子供を産み、育てる。これ

で女の人生ゲーム一丁上がり! てな人生が、私たちの母親たちの知っている
女の一生の流れなのだろう。

しかし私達の世代の女性たちは、少なからずそのノーマルな女の道という古い
固定観念に悩まされているような気がする。

 例えば私。転職の為に家にいたら、おばさんたちが、「花嫁修行でしょ」。
結婚したT子は、両親の「子供はまだ?」攻撃に憤慨していたが、第一子を産ん
だら産んだで、今度は「次はいつ?」攻撃に悩んでいる。

結婚適齢期のことで迷いつづけたM子は早すぎた出産を後悔し、「この子さえい
なければ」という思いと葛藤し続け、子供が3歳になった今、やっと子供を可愛い
と思えるようになったと告白した。

 これら皆、女は結婚しなければ、子供を産まなければ普通じゃない、幸せじゃ
ないという幽霊みたいな固定観念の産物である。

 俗に言う普通の女の人生というのは、まるで舗装されたアスファルト道路みた
いだ。歩きやすいから大勢の人がその上を歩くけど、裸足で歩きたくなるほど、
気持ちのいい道じゃない。

歩きやすい、安全第一の道がベストとは限らない。土の道や砂利道が好きだっ
ていいじゃない。

もしかしたら、そういう道を歩いたほうが、綺麗な小川や逞しい野の花に出会え
たりして、多くのものが見えるかもしれない。

 たとえ、雨に濡れても、枝で怪我をしたとしても……。アスファルトは、嫌い。


コメント (1)
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