いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

ブランドとバック 67編

2005年09月06日 08時22分11秒 | 娘のエッセイ
 男性が女性を見る時は、顔やボディに最初に目がいくのに、女性が女性を見
る場合は、まず始めに相手の持ち物を見るのだということを、以前雑誌で読ん
だことがある。

 そう指摘されれば、”なるほど”と思う。確かに私も、見知らぬ女性を見るとき
には、その姿形よりも、持ち物に目を止めることが多い。

靴を見て、バッグを見て、時計・アクセサリー類をチエックし、”総額幾ら”と素
早く計算してしまったりすることも、ままある。

そうした小物のなかでも、特に目がいきやすいのはバッグ類だ。特にブランド物
のバッグというのは、目につきやすい上、値段もガラス張りで判りやすい。

お洒落にあまり興味のない友達さえ「シャネルのバッグを見ると、つい気になる」
というくらいなのだから。

 ところが、このシャネル、値段は高級だけれど、実はチープシックなものだそう
だ。バーバー寺岡さんによると『本来なら高級な背中の皮を使うかわりに、お腹
の伸びる皮を使用している。だから補強の為に、ステッチがかけてあり、ヒモも
クサリで補強してある』のだとのこと。

 これに対しルイビトンは、欧米では上級クラスの持ち物で、旅行に例えるなら、
ホテルは一流、移動も専用車、専属の鞄持ちがいて…といった具合だそうだ。

そういえばビィトンが有名になったきっかけは、タイタニック号が沈没した際、引
き上げられたビィトンのトランクから出てきた品物が、まったく痛んでいなかった
からだ、という話も聞いたことがある。

 私達世代は、二十代前半からビィトンを初めとするブランドの洗礼を受けてき
た。あれから十年たった今、私のビィトンのバッグは箪笥の奥で埃をかむってい
る。

 見栄の象徴のあのマークが恥ずかしくなってしまったのだ。今や高校生ブラン
ドとまで言われているシャネルやビィトン。

 私がビィトンのバッグを持つことはもうないだろう。見栄で持っていたバッグは、
もういらない。人と同じバッグじゃつまらない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする