十九歳三ヶ月。人間で言えば百歳以上で平成14年12月に波が引くようにスー
と私の腕を枕に息を引き取り、今は花に囲まれた庭に眠っている。毎朝、北斗
に「おはよう」と言いながらお水を供えている。
兎に角、人間の心を読み取ることに長けていた。目と目を合わせれば、お互
い何を欲しているかが分かった。階段を自由に登り降り出来ていた頃は、私た
ちの寝室と同じところで寝ていた。
眠くなると、さっさと二階に上がり、ワンワンと吠える。早く寝ようとの催促で
ある。また、勤めから帰れば必ず玄関で待ち、入るや否や私のズボンのポケッ
トに首を突っ込んでハンカチを取り出す。元気な間続いたコミにケーションだっ
た。そして、次女がハーモニカを吹けば、それに合わせて声を張り上げてもいた。
また、エッセイの主娘が入院中、病院へは226日間通った。帰宅すると、北斗
が何時もと変わりなく出迎えてくれた。落ち込んでいる心をどれほど癒してくれ
たことか言葉に尽くせないほど家族の心の支えとなってくれた北斗だった。どれ
ほど救われたかしれない。
思いは尽きない。単身赴任地では『シバ犬をとてもかわいがっており、当地には
家族ではなく犬の写真だけ持ってきた』と日刊紙に書かれもした。
そして、娘のこのエッセイを読み返し、ありし日の食卓風景が思い起こされる。
食事時には必ず、脇に北斗が居た。食卓にアゴをのせのおねだりである。そし
て、娘にたびたびの苦言、注意をされたことを!
在りし日の、家族団らんの風景がDVDの画面に映し出されたかのように、
私の脳裏には鮮明に浮かび上がってくる。
今日日、お年寄りの機能回復に動物、特に犬との接触が喜ばれ効果も絶大と
の実証もある。今、二人だけの生活。相棒を欲しいと思うが、その分、二人で
シルバー社交ダンスに興じている。部屋のあちこちに飾られた北斗の写真、
その目は、お散歩を催促している。
と私の腕を枕に息を引き取り、今は花に囲まれた庭に眠っている。毎朝、北斗
に「おはよう」と言いながらお水を供えている。
兎に角、人間の心を読み取ることに長けていた。目と目を合わせれば、お互
い何を欲しているかが分かった。階段を自由に登り降り出来ていた頃は、私た
ちの寝室と同じところで寝ていた。
眠くなると、さっさと二階に上がり、ワンワンと吠える。早く寝ようとの催促で
ある。また、勤めから帰れば必ず玄関で待ち、入るや否や私のズボンのポケッ
トに首を突っ込んでハンカチを取り出す。元気な間続いたコミにケーションだっ
た。そして、次女がハーモニカを吹けば、それに合わせて声を張り上げてもいた。
また、エッセイの主娘が入院中、病院へは226日間通った。帰宅すると、北斗
が何時もと変わりなく出迎えてくれた。落ち込んでいる心をどれほど癒してくれ
たことか言葉に尽くせないほど家族の心の支えとなってくれた北斗だった。どれ
ほど救われたかしれない。
思いは尽きない。単身赴任地では『シバ犬をとてもかわいがっており、当地には
家族ではなく犬の写真だけ持ってきた』と日刊紙に書かれもした。
そして、娘のこのエッセイを読み返し、ありし日の食卓風景が思い起こされる。
食事時には必ず、脇に北斗が居た。食卓にアゴをのせのおねだりである。そし
て、娘にたびたびの苦言、注意をされたことを!
在りし日の、家族団らんの風景がDVDの画面に映し出されたかのように、
私の脳裏には鮮明に浮かび上がってくる。
今日日、お年寄りの機能回復に動物、特に犬との接触が喜ばれ効果も絶大と
の実証もある。今、二人だけの生活。相棒を欲しいと思うが、その分、二人で
シルバー社交ダンスに興じている。部屋のあちこちに飾られた北斗の写真、
その目は、お散歩を催促している。