いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

姉の日記 1

2005年10月06日 09時56分37秒 | 十八歳の思い出日記
 一月三十日(金)曇り
 雲がむらがって晴れたり曇ったり寒いので雨戸をしめゆっくり母とこたつに
暖まった。夜は”ひらめ”病人扱いがかえって苦しく感じられる。父は男だから
こそ口には出さないが、私を心配してる気持ちはしみじみわかる。

 夕方六畳で一人でいたら景子あげようか。母はリンゴを買ってきて下さった。
おいしくて、体中一っぱいオレンヂの香りがみなぎったようだった。
父母の心配は一通りでないのに……

 弟(現在72歳)の職業について又私の就職について、夜みんなで話した。
”梅原屋”という大きなおろし漬物屋で両親ともいい人だし、どれが嫌だこれ
がいやだといってさまよっても、結局これがいいというのはどの仕事の内にも
秘められている。

 弟も一まずそこにきまった。何しろ、長男だから将来を考えると一番慎重に
思考すべきである。
 私のはやっぱり漬物会社の事務員(千二百円位)か西洋堂か、何しろ今から
頼んでおかないと卒業まぎわになってさわいでも駄目なので二・三枚履歴書を
書いておくようにいわれた。
このような就職問題は特に父親の力によるもので両親の健在をこの上なく幸福
に思った。男の力の偉大さだ!

 就職という事をもちだされて何となく心が落ち着かない。
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ハンカチ 82編

2005年10月06日 09時05分05秒 | 娘のエッセイ
 三月十四日が近づくと、デパートのハンカチ売り場が『ホワイトデーにはキャ
ンディ』から脱皮した人達で、にわかに混雑しはじめる。そう、義理チョコの

お返しとしてハンカチを贈るのだ。が、今年の傾向としてはショーツを贈るとい
うのがトレンドらしい。

 デパートの下着売場の一角に設けられたコーナーに並んでいる絹のショーツ
を、若い男の子やおじさん達が平気で買ってゆく。男の意識も変わったものだ。

 ところでこのハンカチ、重宝する贈り物のひとつだ。
まず、贈り物の脇役として役立つ。例えばきれいなペパーミントグリーンのシャ
ッツをプレゼントとして用意したとする。それだけでは少し物足りない。

かと言って薔薇の花を一本添える、などというキザなことはしたくない。そんな
時こそハンカチを登場させよう。シャツと同系色の大判のハンカチ、ムードの合
う靴下も揃えると一層いい。

 グリーンの濃淡で揃えたシャッ、ハンカチ、靴下を箱の中に上手に配置して
ラッピングすれば、シャツだけの贈り物よりうんと洒落たものになることうけあ
いだ。

ついでに、リボンや中に敷く紙も同系色や反対色にするなど、ちょっと凝れば
なおさらGOOD!

 もちろん、主役としてもハンカチは大活躍だ。ちよっとしたことのお礼に、
ご挨拶がわりに、ただ意味もなく気にいったものがあったから、などというのも
ハンカチの価格が手頃で、贈っても貰っても負担にならないものだからだろう。

そんな時も、包装をデパート任せにしないで自分で楽しみたい。ハンカチを透
明のセロファンで飴のように包み、捩じった両端をリボンで結ぶ。ワイングラス
にハンカチを入れてラッピングする、などなど。

 ただハンカチにも、問題点がひとつ。便利なだけにありふれたものになりや
すいことだ。

 だから本当は早くハンカチの贈り物から卒業したいのだが、まだしばらくの
間難しそうだ。

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