いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

一番生きのいいもの…

2006年09月20日 08時42分26秒 | 兎に角書きたいの!
 「水色のワルツ」は私たちの世代ではよく耳にした曲である。横森良造さんがアコーディオンで奏でる音を聞いていると何かしんみりとする音を奏でる。その作曲者の高木東六氏は、平成18年8月に百二歳の天寿を全うされた。今その曲をCDで聴きながらブログを打っている。
 高木東六氏がこよなく愛したすし店が横浜市中区住吉町にある。ゆたか寿司である。そこの店主は、客の観察力鋭くそのエッセイがまた面白い。「横浜寿司商だより」に掲載された御主人のエッセイの一部を搭載してみる。

        忙中閑話 ウーマンパワー
 世の中変わった。
 年の頃二十代後半、一流企業のOL,上司と同僚とで小店のカウンター席を占める。政治経済に文化に話題は豊富で、対男性に丁々はっしとなかなかに頼もしい。
 おまけに、見目もうるわしく、ナイスバディーとくれば、その場はこのお嬢様が仕切り、上司の男性(部長職)はとくれば、ただニコニコ
 飲むほどに酔うほどに話は過激化、しものハナシに発展した。「エッ!」と驚くほどの内容で、小生おもわず若い女性の顔を見てしまうほどである。誰が見ようが柳に風の感覚で、内容はどんどんエスカレートすると思うのは我が世代だけなのか、若者達は平気な顔で話は続く。
 傍の上司は相変わらずニコニコ。小生の時代は、女性と一緒の席でのスケベ話は厳禁であった。つい最近まで、常に男が喋り、若い女性が「わぁ、エッチ!」と顔を赤らめて下を向くのが相場と思っていた。
 あに図らんや、男女平等というか、何と言うかほとんど絶句じょうたいであるが気を取り直し、
「お嬢さん、何か握りましょうか」
「そうねェ、一番生きのイイもの、だからといってご自分のモノを握っちゃ駄目よ」
「ハッ八ッハ………」
「じゃ真面目にカズノ子ください。大将!何故ワタクシが数の子を選んだか分かります?」……(中略)……
 限界も乗り越えない程度の、男女共通の楽しみも悪くないなという結論が出た頃、ひとりポツリと、「何だかんだ言って、此処に居る男共、女性から生まれたんだよな」
 世の中変わった。と結んでいる。
高木東六先生もお客のこのような話題を聞きながら、雰囲気とか流れとか、人情味とかを味わいながら瞑想していたのかもしれない。        合掌
 
コメント
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