正解;パイプ用のタバコの葉です。
今回の話題とは全く関係ないのですが、タバコ店の店員が着ている「本物のオリジナル」と正しい日本語が意味なくプリントされたトレーナーにも注目です。
バクストン博物館/美術館 Buxton Museum & Art Gallery 見学の後 町まで降りていくつか、店をのぞいて歩きました。
(バクストン博物館/美術館について書いた昨日のストックポート日報も読んでみてください)
毛糸屋に入って、何も買わずに出てくると、外で待っていたはずの夫が見当たりません。
きょろきょろ見まわすと、となりの店の中に夫がいるのを発見、私も中に入りました。
子供が小さかった時にもバクストンに来るたびに何回か入ったことのある、レトロなおもちゃやお土産物を売るこの商店、実はタバコ専門店だったのです。
今までは気が付かなかったのですが、ちゃんと「タバコニスト TABACCONIST(タバコ商) 」と昔ながらの看板が戸口の上にかかっていました。
遠景です。
ちょうど連続店舗のゆるく婉曲した部分がタバコ店です。
なんと、驚いたことにこの店の雇われ店長は20年ぐらい前にマンチェスターのチェスクラブで一緒にプレイしていた夫の知り合いでした。
10年以上連絡が途絶えていたところ、店の中をのぞいた夫を見つけて声をかけてくれたという、全く予想もしない偶然の邂逅だったらしいのです。
世界的な嫌煙運動で、絶滅しかかっていてもおかしくないタバコ店がまだ存在していること、この店がタバコ店だったことにも驚きです。
缶入りの、細かく刻まれていない加工されたままの形状(とぐろを巻いたウンコ状)の葉タバコ、びっくりするほど高価です。
25グラムで4ポンドだったかな、切ってはかり売りするそうです。
いくつか缶を開けてそれぞれ違う銘柄のにおいをかがせてもらいました。
タバコを吸わない私たちはタバコの煙も、ヤニくさいにおいも大嫌いですが、タバコの葉の深い薫りそのものはハーブや生薬のように心を落ち着かせる効果があることを知りました。
いい~におい!だったのです。
そういえば、この店は「タバコニスト」のはずなのに、この棚に並んだ缶入り葉タバコ以外、売り物のタバコが全然見当たりません。
そうそう、イギリスでは現在「タバコを見せて売ってはいけない」という法律があったのでした。
この店に限らず、スーパーや新聞販売店などのタバコ販売許可店ではカウンターの内側の鍵のかかるキャビネットの中にタバコをしまい込んで販売しています。
客は店員に言って出して売ってもらうのです。
浅い木の引き出しに並べた高価な葉巻や薄い丸いレトロな缶に入った嗅ぎタバコも見せてもらいました。
時代がかったそれらの品もやはり客の目にふれないように金属のキャビネットにしまいこまれていました。
ここまでタバコの健康に対する害が大っぴらになった今もう、イギリス政府は「売ってやるものか!」と必死です。
イギリスでは医療費が完全に無料だという事実も喫煙による健康被害を何としても食い止めたい!傾向に拍車をかけているはずです。
日本ではまだ「健康のため吸いすぎに注意しましょう」と控えめに書かれているだけですよね。
それでも喫煙用品は大っぴらにディスプレイして販売されていましたよ。
奥行きの浅い手前の棚にのった「シガレット・シャツ」という見慣れない商品を見せてもらいました。
タバコの箱にぴったりフィットさせてかぶせる伸縮性のある布のカバーです。
イギリスのタバコの箱には下半分以上のスペースを割いておどろおどろしい脅迫写真が印刷されているのです。
ガンで真っ黒になった肺、ヤニで詰まった気管、出血して真っ赤に染まった歯茎、白内障で濁った眼球、白目をむいて気絶している男(脳溢血?)などなどの医学資料写真(?)です。
脅迫写真のみならず、写真の解説とともに「SMOKING KILLS 喫煙で死ぬ」というおなじみのコピーもでかでかと印刷されています。
「シガレット・シャツ」を着せてタバコの害から目をそらそうというわけですね。
...といっても、脅迫写真(警告写真と保健局は呼んでいます)には実際の脅迫効果も警告効果もほぼ全くないらしいのです。
喫煙者はもう見なれちゃっているのでしょう。
まあ、いやがらせ効果はあるのかもしれませんが。
イギリスのタバコはとても高いですよ。
20本入りの紙巻きたばこの標準的な値段は12ポンド(ポンド安の今、1725円)ぐらいです。安いのは8ポンドぐらいからあるようです。
警告を無視する喫煙者も、経済的な圧迫は免れないようです。
バルセロナに住む上の息子も喫煙者です。スペインではイギリスの半額程度でタバコが買えるそうです。
皮肉なことに、イギリスではどちらかというと収入のあまり高くない労働者階級の男女両方に喫煙者が多いようです。
南米産の、くりぬいたトウモロコシの芯のパイプ。
他にもとてもたくさんの種類のパイプが売られていました。
今でも買う人がいるというのも驚きです。固定客がいるそうです。
やはり、店の収益のほとんどは、プラモデルやレトロなゲーム(カードとボードゲームの種類が豊富でした)、おもちゃ、絵葉書やキーホルダー、ペンなどの古典的な観光みやげの売り上げに支えられているそうです。
表に面したショーウィンドーには売り物の仏像までおいてありました。
喫煙用品とそれらの売れ筋商品がごっちゃに混ざって売られていました。
プレイング・カード(トランプ)のとなりはライターのディスプレイ・ケースです。
息子のために懐かしい「ウーノ―」のパックを買いました。
オンラインゲームのウーノーで火がついて、17歳の息子の周りではちょっとしたブームなのだそうです。
私も高校時代、学校でプレイしました。