いも棒 ～棒ダラをお皿に盛れば今年最後の充実感～

３年前までは大鍋で、約20数年連続で大量に炊いた「いも棒」だが、肉厚の戻した棒だらが売ってあったので、小さいほうのアルマイトのお鍋で、昔よりウンと少量を超久々に炊いてみた。いも棒は京料理の一種で、硬い棒だらと柔らかい海老芋を一緒に炊いて、煮方の腕を競うような意地の煮もの勝負であり、宮中への献上品とされていた。ワシの20数年の切磋琢磨した煮ものは、専門店を凌ぐレベルに達している。



棒だらは、番茶での下茹でを含めて数回繰り返し、柔らかさを出すのに根気よく仕事をしている。本チャンで煮るときは、煮汁は昆布ベースに鰹のお出汁で、沸騰させず澄んだまま最後まで仕上げるのが少々厄介だ。我が家は里芋が好みで、えび芋よりもさらに柔らかいので煮汁だけを使って別鍋で煮て、大皿で初めて棒だらと里芋がこんにちわのいも棒となる。





カチンコチンの棒だらは、本当ならお米のとぎ汁で長期間かけてふっくら戻すが、今回は乾物屋さんの戻し済を使用。根気よく下茹でし、沸騰させず澄んだ煮汁に仕上げる‥‥‥言うと簡単だが、実際に炊くとなると長時間コンロ前に釘付けになって辛いが、お皿に盛ったときはエモい（得も言われぬ）充実感が溢れてくる。



お店で戴いたり買ったりすると、保存の関係でお味が濃いし、糖分が多く水飴コーティング気味になっているのが、どうも気になってワシ好みではない。下の画像は京都錦市場の専門店の棒ダラ。

今年もお世話になりました。来る新年もよろしくお願い致します。
良いお年をお迎えください。

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