寒い日が続きます。来週も雪マークが続くようで、まだまだ春は遠いようです。
毎日0℃前後の気温の中、春からの新築物件の墨付けをしています。
凍えそうな工場の中、粛々と・・
先週の土曜、日曜と飛騨・高山へ伝統建築物の見学へ社員研修へ行ってきました。
長岡を出て、長野松本で見学したのは、明治に建てられた最も古い木造学校の「開智学校」です。
文明開化とともに西洋形式の建物を真似た「擬様式」と呼ばれる木造建築物が各所で建てられましたが、その中の1つです。
「西洋館」らしく、建物の中心に八角形の塔がそびえる独特な形の建物で、写真は、正面から塔を見上げた様子です。
当時の建築技術は、伝統木組の古来からの日本建築だったわけですが、その中に急に「西洋館」風の建物を建てろと言われても、ヨーロッパに留学して1から基礎を学んでくるわけにも行かず、見よう見まねで伝統構法を西洋風にアレンジしなければならない・・
「棟梁」たちは、東京や横浜に建てられた西洋館を見学しては、どうやってつくればいいか模索していたようです。
この開智学校の棟梁は立石清重。
写真からも分りますが、根っからの大工の棟梁という感じです。
彼も、やはり東京や横浜へ行って西洋館を見て、メモをとっています。
そして、どのようにすれば「西洋風」になるか、独自で研究し、墨付け、刻みを行っている。
瓦も日本瓦を西洋風にしているし、漆喰塗りで白壁を再現。
当時は、大壁ではなく、真壁が主流だったのですが、大壁の漆喰塗りにも左官屋さんが挑んでいる。
建具、ガラス、当時の在りモノで再現してきた当時の職人の根性と技術力の高さが覗えます。
「西洋風」でありながら、日本式に「上棟式」も行っていて、当時の配列の台帳も残っていました。
八角形の塔の中は入れなかったのは残念でしたが、当時の苦労を少しでも味わえたのはいい経験でした。
他に展示品が多々あったのですが、殆ど観れなかった・・建物の隅から隅まで見渡した・・そんな感じが多かった今回の見学ツアーでした。