中越地震ではまだ「大規模半壊」や「半壊」「一部損壊」の罹災のクラス分けがまだ不十分だったため、「応急危険度判定」は「危険」か「使用可能」かのどちらかでした。
「危険」と判定された場合は、
●この建築物に立ち入ることは危険です
●立ち入る場合は専門家に相談し、応急措置を行った後にして下さい
の表示がされます。
また、「注記」という事で、実際にどういった損傷があるのかが書かれています。
外観の見た目は損傷していないように見えますが、建物内部は至る所にひび割れが発生しています
【危険と判断された場合】
ここでいう「専門家」とは地元の大工や建築業、建築士を指しますので、「注記」に沿った応急修理を行った後でないと、基本的にお客さんは建物の中に入れない事になっています。
実際はお客さんが入って生活している建物もあれば、仮設住宅にて生活し、応急修理を行ってから建物の中に入るかのどちらかになります。
【応急修理の計画を立てる】
応急修理を行う場合、無計画に破損した場所を直すだけでは、再び余震が来た場合に損壊が広がる心配があります。
できれば「耐震計画書」を作り、その計画に沿った補強工事ができればよいと思います。
【耐震計画】
耐震計画としては、現地の建物の図面を作成し、耐震計算を行ったうえで補強部分を図に落とし込んでいくものです。
バランスの良い耐震壁の配置が要求されます。
【耐震補強の実施】
耐震計画を基に補強工事を行います。
破損した部分を撤去して、補強工事を行ってから、仕上げの施工を行います。
耐震リフォームの手法と同様ですが、土台が下がっている場合はジャッキアップ等の工程が入ってきます。
【応急修理のポイント】
本来ならば、建物の全体を考慮すればよいのですが、特に弱くなりがちな1階部分を重点的に補強する計画の方が経済的と思われます。
工事中は補助的な部材で仮に補強して工事を行います
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