住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

蛍袋と明かり

2009-06-12 13:53:34 | 建築
(6月3日 小川エリアにて)
今日6月11日(木) 七十二候 第二十六候 腐草為蛍(ふそうほたるとなる)
-腐った草のあいだからホタルがあらわれるころ-

我家の庭は常緑樹の葉っぱが新旧入れ替わり、その役目を終えたもの、多年草でこの時期にはすでに休眠に入ったもの・・などの残骸が雨に打たれ、日に照らされ、石にへばりついて、「ぐちゅぐちゅ」になっている中で、ひときわ目立つ蛍袋が咲いています。何でも、花の中に蛍を閉じ込めると、その明かりが外へ透けて見える事からこの花の名前がついたらしい。

そしてこの日はもうひとつ「入梅」がある。
天気予報では昨日((6月10日)東京は梅雨に入ったといっていたので、ほぼぴったりだった。中国生まれの旧暦に比べ、この「雑節」は合点のいくところの多いと感じるのは、八十八夜などと同じ、季節の移り変わりを示すために日本で新たに加えられたものだからでしょうか?

(通り庭より階段の方向を見る。)

全てを照らし出す照明というより、適度な暗がりの中に「明るさ」を感じるというのもいいものです。そう、夜の原っぱの暗闇で見た蛍の明かりのように・・・「照明」ではなく「明かり」が好きなのかもしれません。

先日はたくさんの方がオープンハウスに来ていただきありがとうございます。いろいろな意見や感想が聞けて、私にとっても貴重なひとときでした。

蛍袋(ホタルブクロ):キキョウ科の多年草。初夏に大きな釣り鐘状の花を咲かせる。
開けたやや乾燥した草原や道ばたなどによく見られる草本で、全体に毛が生えている。根出葉は長い柄があり、葉身はハート形。匍匐枝を横に出して増殖する。初夏に花茎を延ばす。高さは、最大80cmくらいにまでなり、数個の釣り鐘型の花を穂状につける。花は柄があって、うつむいて咲く。
英語では「bellflower(鐘の花)」という。


=戸田晃建築設計事務所=