Y邸は、只今内部仕上げ進行中です。
居間部分の壁・天井の仕上げは漆喰です。
漆喰という材料、実際どのような効果があり、どのような素材なのか、また、その技法についても知られていない部分も多々ある様な気がします。
今回ご紹介するのは「蛇腹引き」という技法です。
写真のダブルハンク+オーニングのこの窓廻りと、写真にはありませんが、玄関廻りの二か所を制作します。
木製の本体の両面に挟み込むように金物を取り付けてあります。削りながら引くための工夫だそうです。
今回新たに制作した型
「蛇腹引き」あまり聞きなれない言葉だと思いますが、文化財修復や、洋館の修復などで使われる技法です。私も設計事務所を開設して22年目、本やネットや、ニュースなどでで目にしたこことはあるのですが、実際に目にするのは初めての技法です。
装飾枠(モールディング)はそれを多く制作している会社がありますが、T-R(前回のブログ参照)に合うものが見つかりませんでした。
また、海外のカタログには近いものもあるのですが、納期が気になる。飛行機を使って取り寄せるのも…
散々悩んだ挙句、無いならば作るしかない…
という事で、原寸でT-Rを描き、それに合わせT監督が木材を切り抜きます。木材や金物で形(引き型)を製作することから始めました。
偶然ですがコンフォルト6月号「漆喰と木の家」で丁寧に紹介されてました。詳しくはそちらを見てください。
今回は2種類の型を制作してもらいました。
石膏や石膏ボードで下地を作り、その上に漆喰を塗り込み、型で引いてゆきます。
素材の漆喰自体、建築建材として、袋を開けて水を入れるだけのものや、すでに練られていて、蓋を開ければすぐに使える商品もありますが、今回はイメージに合わせ、T職人に調合していただきながらの作業になります。
鏝もいろいろありました。上記はほんの一部。それぞれにT職人の刻印がありました。
この鏝たちのたたずまい、震えます
さて仕上がりはどうなりますか?
今週末山場を迎えます。また報告します。