住みこみ*著書:『住みこみ』(2007年/ラトルズ刊) 戸田家の一年を写真とエッセイで綴った本のタイトルです。

人の暮らしは時間と共に変化します。それを調整しつつ自在に手を入れられる、ゆるやかな設計を心がけています。

扉を収納する押入

2013-05-29 02:15:20 | 建築
畳はいいと思います。足を投げ出して休むこともできるし食事もできる。もちろん寝っ転がれるし、布団をひいて本格的に睡眠をとる事もできる。リビングにもダイニングにもベットルームにもなる訳だ。もしかしてホビールームにだってなるかもしれない。

でも、その為に和室を設けるのはちょっとね~という方が案外多い。
また、せっかくひとつの空間を意識しても、左右のどちらか、もしくは両脇に襖が残っていては、なんか一体感を感じられない、と思われた人も多いんじゃあないかな~。

そこで考えたのが、畳のスペースとリビングを別ける戸(戸襖)まで仕舞える押し入れ。

「扉をも収納する押入」

やってみるとこれが案外(かなり)大変。

押入の中に戸襖を仕舞い、押入扉を閉めて隠す。。という事は、扉どうしの動線がクロスする。
敷居と鴨居に「謎の交差点」が出来る訳だ。
また、戸襖を閉めた(押入れから引き出した)状態でも、押入扉の表面と戸襖の小口(側面)が接するので、いかにすっきりできるか?等々


 戸襖収納時(向かって右側の押入の中に3枚の戸襖が入っている。まさか押入に扉が入っていたとは、と言われるくらい、普通の柱と押入に見える)
日頃はこの状態で、ひとつの空間として利用している。


 戸襖で畳スペースを仕切っている状態(押入扉をちょっと開け、3枚の扉を引出し、押入扉を閉め、押入扉正面に掘られた溝に戸襖をはめる)ちょっとしたお客さんの宿泊スペースにもなる。

小さい小さい事ですが、その積み重ねが居心地の良さにつながると信じて設計しています。

=戸田晃建築設計事務所=




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