私はクラシックギターを主体としてクラシック曲が練習曲のほぼ全てなんだけど、気晴らしにポピュラー曲も弾いて楽しむこともある。 アコギも持っているんもで、ポピュラー曲はアコギの方がなんとなくしっくりと馴染む気もするが、クラシックギターでももちろんとても良い音色で落ちつた音色はどんな曲でも表現できる。
ギターに関してあまり知らない人はギターと言うと、アコギやエレキを思い浮かべる人が多そうだが、クラシックギターの魅力を知ったら、おそらくクラギの方がギターらしいと思えるのだろう。
去年末までに私は所有しているアコギやエレキ、フルアコなどを全て処分して、今後はアコギなどを買うことはないだろうと思っていたが、最近になって、同級生のリコーダーグループからの誘いがあり、ギターで伴奏をするようになった。 はじめはクラシックギターで参加していたが、数回程度でやはりアコギの方がストロークでコード弾きがメインなので、良いと思った。 そこで、アコギを改めて購入することになった。
なので、普段、家で弾くことはあまりないのであるが、少しは練習する必要もあるので、ポピュラー曲を弾いたり(これはソロの演奏なので、指弾きだが)
している。 アコギの良い点は弦の寿命だろう。 スチール弦はそもそもクラシックギターで使用するナイロン弦とは違って、弦の伸びがほとんどないし、
コーティング弦なら錆もほとんどないので、半年以上、いやもっと長く使用することも可能である。 もちろん、使用頻度にもよるが、ある程度劣化しても、音色の変化を感じるほどにはならない。
なので、年間に必要な弦に費やすお金も少ないので、1本持っていても悪くはない。 さらに言えば、アコギの弦はナイロン弦に比較しても価格は安いので、仮に半年に一回程度交換しても全く負担にはならない。
逆にクラシックギターの弦は最低でも3か月に1回は交換しないと弦の劣化もあるが、音色が格段に違うので、私も以前は3か月程度使用していたが、今では2か月以内での交換をしている。
なので、弦に費やす金額も年間で計算するとかなり高額になる。 ナイロン弦は1セットで比較してもスチール弦よりも高額なので、さらに費用は高くなる。 こうした点などもあり、ギターを始める人の多くは(特に若い人達は)アコギなどから始める人がほとんどだ。 それと、ギターの特徴の違いもあるだろう。 アコギのネック幅は一般的に45mmから42mm程度でクラギに比較しても10mm程度幅が狭い。 これはコードを押さえるにはとても有利なサイズだろう。 ただし、スチール弦は押弦の指先への圧力が強く感じるので、最初指先が慣れない間はクラギのナイロン弦に比較すると指先が痛くなることがある。
ナイロン弦でもギターを弾いたことがない人は、当初は指先が痛くなるのは同じだけど。
1か月も過ぎると、指先の皮膚が厚くなって痛みはなくなってくるが、その間には痛みをこらえて練習する期間がある。 この時点で脱落する人も少なくないし、さらに、人差し指でフレット全体を押さえるセーハなどでどうしても音が出せない人が少なくなく、そこで断念する人が多々いるだろう。
特にアコギの場合には、セーハはいきなりフレット全体を押さえるようなコードがほとんどなので、どうしてもその時点で断念することになる。
特に女性の場合には指の力も弱いし、指が短いことや、柔らかいこともあり、Fとか、Fm、B♭、Bmとか、押さえることに苦労する。
話がそれたけど、クラシックギターは基本的にもピックは使用しない。 ストローク奏法もそれほど多用することもないし、(フラメンコなどは、人差し指から小指まで使用して弦を鳴らすような奏法、セコ、ラスゲアードなど)もあるが、クラシックギターの曲の基本的な奏法としてはアルペジオやトレモロなどが主な奏法だ。
基本は小指は使用することはなく、親指から薬指の4本で爪弾くのがほとんどの曲の要素となる。
この指弾きのむつかしさは各指が独立して動くことにある。 一般的な普段の生活では動かすことがない動作をしなければいけないので、そうした動作をスムーズに時には相当なスピードで動かすことになる。
ギターのむつかしさは、その右手ではなくて、実際には弦を押さえる左手(左指)の動きなのである。 こちらは小指も使用して弦を押さえる。 親指はネック裏側で手を支えるので、押さえるのは人差し指から小指の4本だ。
この4本の指で6本の弦の必要な指板の位置を押さえる必要がある。 これが、特に難しい。 同位置のフレットや3フレット程度の位置ならそれほどでもないが、4フレット、5フレット離れた位置を同時に押さえるには相当に指が開くことになる。 それと、曲によってはフレットを大きく移動する必要もあるし、その移動して押さえる位置に即座に指を持っていくことは簡単なものではない。 ギターのむつかしさはこうしたフレット間の押弦、フレットを大きく移動して即座に押さえることが出来るかどうかでスムーズに弾けるかどうかに関わる。
そもそも、人間の普段の生活で指を大きく開いたり、即座に移動したりするような動作など全く必要としていない。 なので、普段とは全く異なる動きを手や、指、腕が思っている動きや速度で機能するには、相当な練習が必須だ。
これは子供が言葉を覚えたり、走ったり、何かを作ったりする動作以上に難し。 普段の生活がそのまま反映されるような言葉や動作は特に学習することがなくても、生活の中で鍛えられて、身につくのだから。
もちろん、特定のスポーツや言語や読み書きなどは学習する必要はあるが、それでも、そうしたものも一般的な人間の生活の基本動作の延長なので、身に着ける時間や上達する速度ははるかに速い。
ギターの動作はそうした物とは別物で、まったく人間の基本動作とは無縁な動作を取得することだ。 譜面を読み解くことも一般的に言語などとは違って、普段の生活には全く必要もないことだし、さらに譜面を楽器に落とし込む作業はもっと私生活からは離れている動作や思考だろう。
さて、どうでもいいことを長く書いた。 ギターの練習に戻ろう。