日本野鳥の会/大阪支部例会『四万十ヤイロチョウの森づくりの現状と課題』を聴講しました。会場は大阪支部 「NEXT21」 講師は生態系トラスト協会会長 兼 日本野鳥の会顧問であります中村滝男さんです。
私は今回の講演会でヤイロチョウという鳥を初めて知りました。
四万十の自然の中に生息し、彩りの美しさ、独特のさえずり、
また、その姿を容易にひとまえに現さないことから「まぼろしの鳥」と呼ばれている絶滅危惧種だそうです。
長年の研究によると・・・
■好んで食べるえさ:ミミズや昆虫、他に乾燥した瀬戸内海地域によってはムカデを主に餌としていた事例がある。
■繁殖地:1937年(昭和12年)に、四万十川流域の森で初めて営巣が確認されるまで、日本にはごく稀に飛来する迷鳥だと考えられていました。現在、国内の分布としては、九州、四国、広島県など中国地方を中心に本州中部の静岡県、長野県などで繁殖が確認されている。
■天敵:ヘビなどの他に最近ではサルの疑いが強くなった。
■その他:日本での推定できる確実な生息数の合計は100~150羽程度
都市公園やひとが分け入ることのできる里山に集う鳥たちと違って、非常にデリケートで人との共存が難しい鳥だということでした。例えば営巣中に人の姿を確認した翌年には同じ場所に戻ってこない・営巣しないという報告もなされています。
バードウォッチングという鳥を観に行く活動に参加していますが、時々その行為について考えさせられることがあります。
鳥を観たいという好奇心が鳥に恐怖心を植え付けたりするのではないだろうか、という疑問を感じる場面に出くわすことも多々ありました。特に、絶滅危惧種のような鳥を観察するとき、好奇心のみに任せてしまうと、個体の減少やひいては間接的に絶滅に関与することになるのではないかと不安になります。
今回の講演を聴いて、鳥の生態に対する知識があれば、鳥に対する好奇心の持ち方や行動が変わってくるということを学びました。これからは、ただ鳥を観て感動するだけでなく、好奇心と知識のバランスをとりながら探鳥にのぞみ、楽しみたいとあらためて思いました。
ほんとうに面白い講演会でした。また参加者にはこんな素敵な本のプレゼントまでありました。
http://wwwd.pikara.ne.jp/ecotrust/
※ヤイロチョウに関する詳細情報は上記の(社)生態系トラスト協会HPをご参照下さい。
今回、講演いただいた中村滝男様、また室内例会の企画をしていただいた日本野鳥の会/大阪支部の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。