アントニン・ドヴォルザーク: 3つのスラヴ狂詩曲 作品45 B 86 (スコア付き) 作曲年代:1878年 指揮:ズデニェク・コシュラー 管弦楽:スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団
00:00 スラヴ狂詩曲第1番ニ長調 12:29 スラヴ狂詩曲第2番ト短調 24:40 スラヴ狂詩曲第3番変イ長調
《3つのスラヴ狂詩曲 作品45 B 86》は、1874年の《狂詩曲イ短調 作品14》や、成功した《モラヴィア二重唱曲集 作品32》を動機として、1878年に作曲された。同時期の《スラヴ舞曲集 作品46》と同様に、スラヴ地方の民俗的な音楽を彷彿とさせるが、形式はたいへん自由である。3曲は独立して演奏することを想定されているようで、初演も第1・2番が1878年11月17日にプラハで、第3番が1879年9月24日にベルリンで別々にされている。第1・2番の初演は、ドヴォルザークが単独で行った最初のコンサートであった。ドヴォルザークの生前には頻繁に演奏会で取り上げられていたようだが、今日の演奏機会は少ない。 《第1番ニ長調》はA-B-A-B-Aのロンド形式で、牧歌的なAの主題とシンコペーションが用いられたBの主題の対比が印象的である。中間部では、両方の主題が対比的に織り交ぜられる。 《第2番ト短調》は、《第1番ニ長調》と比べて複雑な形式で、より劇的な雰囲気がある。リズミカルな主要主題と厳粛な副主題との対比が見事で、コーダは次第に加速しト長調で終止する。 《第3番変イ長調》は、ハープのソロで始まり木管楽器を主とした部分で瞑想的な主題を取り扱う。その後のAllegro assaiの主部は楽観的で、《交響曲第8番ト長調 作品88 B 163》を彷彿とさせる。