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韓国の学級崩壊-3-

2011-08-14 06:49:00 | 教育関連情報
朝鮮日報では、連日、韓国内の学級崩壊が報道されています。

最新の記事を紹介します。

学級崩壊:「体罰より教師と生徒の距離を縮めるべき」
中学校で生活指導を担当するパク・チョンファン教諭
【キム・ヨンジュ記者】 教職21年のベテラン教師で、17年間わたり生徒の生活指導を担当してきた忠武中学校(慶尚南道統営市)のパク・チョンファン教諭(46)は、本紙とのインタビューで「教師は生徒がいるところにはどこにでも行くべきだ。教師が生徒にもっと時間を費やせば、体罰がなくても(学級崩壊)問題を十分に解決できる」と述べた。


 家庭に問題のある生徒が学校でほかの生徒や教師に暴力を振るい、欲求不満を解消するケースが多いという例を挙げ「教師は生徒の立場に立って考え、アプローチすべき」と指摘した。最近の生徒は軽く小突かれただけで家に帰ってしまうほど個性が強いにもかかわらず、教師は過去と同じように接するため、生徒は教師の指導を受け入れられず、反抗してしまうと説明した。


 また「体罰は一時的には効果があるように見えるが、長期的には教育的な効果はない。例えば、教室の前で正座させること(間接的な体罰)よりも、相談室で生徒と話をする方がはるかに効果的だ。教師から体罰を受けた生徒が後輩に暴力を振るうといった副作用もある」と述べた。


 パク教諭は「教師が生徒と一緒に過ごすことが大切」との持論も語った。問題点を指摘する前に、生徒と交流することで「なぜこうした問題を抱えるようになったのか」という事情を把握し、信頼を築くべきとの意見だ。「生徒とサッカーをしながら汗を流し、一緒にジャージャー麺などを食べながら会話すると、親との関係や家庭の事情が分かり、情もわいてくる。そうした土台を築き生徒との距離を縮めれば、子どもたちも教師の指導に従うだろう」。

 パク教諭は例として、忠武中学校の「凝集力プロジェクト」を挙げた。このプロジェクトは、学期の初めに各クラスに12万ウォン(約9000円)を配布し、放課後(午後9-10時)に教師と生徒が一緒に運動や食事をしたり、カラオケに行ったりするなど、時間を共に過ごすというものだ。


 パク教諭は「教師は授業だけでなく、ほかの業務も多いと言うが、覚悟を決めさえすれば放課後も生徒と一緒に時間を過ごせるのでは。時間がかかるし容易なことではないが、教師の絶え間ない努力が求められる」と語った。



学級崩壊:携帯電話は登校時に回収
校内での携帯電話使用禁止、学則で定める学校も

暴力や校則違反には賞罰点制、一定の罰点を超過した場合は処罰


【カム・ヘリム記者】 京畿道東豆川市にある東豆川女子中学校の生徒513人中、90%は携帯電話を持っている。しかし、授業が携帯電話で妨害されるという問題はほとんどない。2009年から登校時に担任が携帯電話をが回収し、放課後に返却するという学則を定め、生徒たちがこれをきちんと守っているためだ。担任はかごや箱に携帯電話を集め、放課後まで職員室のキャビネットに保管する。


 授業中に携帯電話を使用したことが見つかった場合、一週間携帯電話を没収される。2回見つかると、1カ月間没収される。急用で電話をかけなければならない場合は、職員室の電話を使用することになっている。今年に入って授業中に携帯電話の使用が見つかった生徒は4人だけだ。この学則が3年間揺らぐことなくきちんと守られている背景には、保護者たちの貢献も大きい。この学校の保護者たちは「授業中の携帯電話禁止」の学則について同意書を提出した。


 豆東川女子中のチョ・スジン教頭は「子どもたちは初めは不便がっていたが、今では授業中に携帯電話を使ってはいけないという共通意識が形成されている。携帯電話はささいなことかもしれないが、生徒たちは若いうちから、やっていいことと悪いことを体で覚えている」と話した。ソウル市の徳寿中、孝門中なども、生徒たちが携帯電話を持って登校するのは許可しているが、授業中の使用は禁止している。


 ソウル市衿川区の文一高校は教諭、保護者、生徒など200人が出席した公聴会を通じて、体罰に対する原則を定めた。問題を起こした生徒を教諭が手足や靴で殴るような直接的な体罰を禁止する代わりに「教室の後ろに立つ」「空き教室で反省(反省室)」などの間接的体罰と代替罰を行うことで合意した。文一高が採択した代替罰のうち、代表的なものが、賞罰点制だ。教室で騒いだり、遅刻した場合は罰点2点を与え、授業態度が優秀だったり、ボランティア精神を発揮した際には、賞点2点を与える方法だ。罰点が8点に達すると面談および訓戒、11点に達すると校内奉仕、保護者を呼び出すなどの処罰を行う。2006年からはインターネットサイトを通じて、生徒と保護者が賞点と罰点の内容を随時チェックできるようになり、保護者には子どもの賞罰点を携帯メールで知らせている。


 文一高のユ・ジャンヒョン教頭は「生徒が問題を起こした場合、教諭が感情的に対応したり、適当になだめたりせずに、学則を厳しく適用していく方針だ。皆で合意した規則を守らなければならないという教訓を教えるのも重要な教育だ」と話した。



学級崩壊:暴力は学則で厳しく処罰すべき
小中高校の多くが暴力、セクハラ、授業中の携帯電話使用などにより、授業が統制不能となる「学級崩壊」の状態に陥っている。こうした現状を改善するためには、学校が問題のある児童・生徒に対する明確な処罰の原則を打ち出し、実践することが何よりも重要だと専門家らは指摘する。


 これとともに、教諭が問題のある児童・生徒を避けずに「愛情」ある教育を続ければ、一部の児童・生徒の乱暴な行動を減らすことができるとしている。


(1)校内暴力は必ず代価を払わせる


 小中高校内での暴力は、児童・生徒であれ、教諭や保護者であれ、いかなる場合でも必ず処罰を受けるということを認識させるべきとの声が高まっている。教諭が児童・生徒に抑圧的な体罰を加え、保護者は教諭に暴行し、子どもたちはさらに他の子どもたちに暴力を振るったり、教諭に反抗するという悪循環によって、学校では日常的に暴力が起きているためだ。


 校内暴力が発生した場合、校内に配置された学校警察が出動するという米国の制度を参考にすべきだという意見もあるが、韓国の文化的背景を考えると、教諭が教育を放棄したように見える可能性があるとして反論も出ている。その代わり、学則の実質的な執行と学内紛争調整委員会の活性化を通じて暴力の連鎖を断ち切るべきだとの意見がある。教諭や児童・生徒が暴力を行使した場合には、必ず処罰し、学内で暴力を振るった保護者は通報するという罰則を法で定めるべきだという意見も出ている。


 中央大学のイ・ソンホ教授は「学則を整備してもまともに執行できていない現実を変えるべきだ」と話した。


(2)学校別「罰則マニュアル」を学則で定めるべき


 児童・生徒を殴るといった体罰をやめる代わりに、児童・生徒たちが耐えられるレベルの間接的体罰(一定の姿勢を続ける、校庭を走らせる、腕立て伏せなど)や、反省文の提出、反省椅子に座るなどの罰則のほか、代替罰の種類と適用対象を明確にすべきだという意見も多い。児童・生徒がどのような問題を起こした場合、どのような罰を与えるべきかを状況別に記載した「罰則マニュアル」を学則として制定し、遵守すべきだとの指摘だ。例えば「クラスメートに暴力を振るった場合、反省室に一週間。生徒が教諭に対し暴力を振るった場合は留年の対象となる」というように条項を明文化する。ソウル面牧高校のソン・ヒョンホ教諭は「マニュアルを作る際には生徒たちも参加させ、互いに合意を得るのも一つの方法だ」と話した。

(3)校長が率先して問題のある生徒を反省室に連れていくべき


 校長が「学級崩壊」の問題解決にさらに積極的に取り組むべきだという意見も出ている。米国の学校では、問題を起こした児童・生徒を校長や教頭に引き渡し、カウンセリングを行ったり、保護者を呼び出したりしている。シンガポールでは、校長が児童・生徒に直接罰を与える権限を持つ。韓国でも校長が直接指導すれば、教諭たちも確信を持って問題のある児童・生徒を指導できるはずだ。


 韓国教員団体総連合会(教総)のアン・ヤンオク会長は「校長がきちんと役割を果たすためには、学則制定の権限など、より自主的な学校運営のための権限を大幅に拡大する必要がある」と話した。


(4)授業中の携帯電話使用を禁止に


 多くの教諭が指摘する問題の一つが「授業中の携帯電話使用」だ。一部の学校では授業中に携帯電話を使用することが「自然な現象」となっている。


 これについては、積極的な制裁が必要だという意見が強い。「授業中の携帯電話所持の禁止」や「登校時に回収、下校時に返却」を学則で定め、これに違反した場合、確実に罰を与えるべきだとしている。ソウル大方中学校のイ・チャンヒ教諭は「事前に生徒たちに十分な理由を説明し、授業中の携帯電話使用を禁止することについて合意する必要がある」と話した。


(5)学級崩壊を放置した教諭は評価に反映すべき


 このように学校の教室が統制不能状態に陥ったのは、これを放置した教諭たちにも責任があるという意見が、保護者たちの間で出ている。多くの教諭が、授業中に問題を起こした児童・生徒を避けたり、無視したりすることで、むしろ他の生徒たちに害を与えているというのだ。生徒の問題行動を放置し、指導を放棄したと判断できる明確な根拠がある教諭に対しては、評価に反映するなど責任を問う必要があると保護者たちは話している。



【萬物相】女性教諭、受難の時代
【朴海鉉(パク・ヘヒョン)論説委員】 韓国映画史上最後の無声映画『検事と女教師』(1948年)に登場する検事は、貧しかった小学生時代に女性教諭から受けた温かい愛情を忘れることができない。その教諭が殺人罪で起訴されると、検事は「そんなはずはない」として、最後には女性教諭の汚名を晴らす。「女の先生」に母性が感じられた時代の、誰もが共感できる映画だった。当時は女性教諭の存在が珍しかったため、現在の中高年世代は担任だった女性教諭の名前が忘れられない。


 タレントのオ・ジホが、故郷を訪ねるテレビ番組に出演し、小学校時代の女性教諭と映像を通して言葉を交わした。教諭は「この腐れ野郎、私のことを初恋の人って紹介した?」と喜びを裏返しに表現した。詩人の徐廷柱(ソ・ジョンジュ)の作品『初恋の詩』には「私は12歳だったが、担任の女の先生がとても好きで」という一節が登場する。「あの先生のように、いつも爪をきれいに切って、勉強も1番を目指して」という歌もあった。女性教諭の思い出は、母親や姉のように温かな存在として心に残っている。


 昨年の統計によると、韓国の小学校の女性教諭数はおよそ13万2000人で、小学校教諭全体の75%に達した。今年3月の時点では、ソウル市内に男性教諭が1人もいない小学校が7校もある。女性教諭の割合は中学校で65.7%、高校でも44.3%に達し、引き続き増加傾向にあるという。結婚情報会社によると、理想の結婚相手として好まれるのは、男性の場合は判事、女性は学校教諭だという。このため、就業機会の少なかった女性たちが教員の道を選ぶようになり、教育現場に女性が増加するという現象が起きた。


 韓国では現在、教育現場での先生の権威が揺らいでいるが、特に女性教諭を甘く見る生徒・児童が増え、懸念の声が高まっている。ある高校の校長が、騒がしいクラスを担任している女性教諭に注意を促すと「生徒にやられるのが怖いので、そのままにしている」との答えが返ってきたという。男子高校生が女性教諭の肩に手を回し「ねえちゃん、付き合おうぜ」などと教諭をからかう動画がインターネット上に出回るご時世だ。昨年は、男子生徒が女性教諭を殴ったり、首を絞めてつばを吐いたりする事件が、表沙汰になったものだけで8件も起きた。


 新人の教諭たちは、英国の映画『いつも心に太陽を』(1967年)に登場するような先生と生徒の人間愛を夢見ている。だが、まともなしつけも受けずに育ってきた子どもたちの前で、その夢はもろくも崩れ去る。各学校に男性教諭を均等に割り当てる方式を提案する声もある。だが、男性教諭も罰を与えると逆に仕返しを食らう現在の状況で、それが解決策になるだろうか。これからは、教諭を見下す生徒が問題を起こしたら、保護者を呼んで責任を取らせるなどの措置が必要だ。


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