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2月11日の社説は・・・

2017-02-11 05:47:00 | 社説を読む
建国記念の日です。

今朝の社説を見てみましょう。

朝日新聞
・ 復興庁 「御用聞き」から前へ
・ 明治150年 歴史に向きあう誠実さ

読売新聞
・ 米入国制限停止 強引な大統領令阻む司法判断(2017年02月11日)
・ テロ準備罪法案 金田法相の言動は緊張感欠く(2017年02月11日)
  
毎日新聞
・ 少年法18歳諮問 更生の仕組みが必要だ
・ 米入国禁止訴訟 大統領の暴走を止めた

日本経済新聞
・ 気象ビッグデータの産業利用を進めよう
・ 株主との対話促す会社法に

産経新聞
・ 建国記念の日 明治150年の意義考えよう
・ PKO日報 情報管理の徹底を求める

中日新聞
・ 象徴の意味を考えて 天皇制と憲法 

※ 朝日と産経を読み比べてみましょう。

朝日です。
「関連で注意すべき動きもある。文化の日を「明治の日」に改称させようという運動だ。

 11月3日はもとは明治天皇の誕生日だ。文化の日などという「曖昧(あいまい)な祝日」はやめ、明治を追憶する日にしよう――。そう唱える人たちの集会に出席した稲田防衛相は、「神武天皇の偉業に立ち戻り、伝統を守りながら改革を進めるのが明治維新の精神。それを取り戻すべく頑張ろう」とあいさつした。

 文化の日は、憲法公布の日を記念し「自由と平和を愛し、文化をすすめる」として定められた。当時の国会の委員会会議録には、「戦争放棄を宣言した重大な日」と位置づけ、この日を文化の日とする意義を説く委員長の言葉が残されている。

 こうした経緯を踏まえず、神話の中の天皇を持ち出して「明治の栄光」を訴えるふるまいには、時代錯誤の一言で片づけられない危うさを感じる。

 昨年亡くなった三笠宮崇仁(たかひと)さまは、神武天皇即位の日とされた戦前の紀元節を復活させる動きを、学問的根拠がないと厳しく批判したことで知られる。

 歴史をひと色に塗り固め、科学や理屈を排し、美しい物語に酔った先にあるものは何か。

 曲折の末、旧紀元節の日に制定された51回目の建国記念の日を機に、歴史に誠実に向きあう大切さを改めて確認したい。」

産経です。
「日本書紀によれば紀元前660年、初代神武天皇が橿原(かしはら)宮(奈良県)で即位した。現行暦では2月11日となり、この日をもって日本の国造りが始まる。

 その後の日本は一系の天皇を戴(いただ)きながら、営々と国を守り育ててきた。中世の元寇(げんこう)のように他国の侵攻も受けたが、民族が一丸となって国難をはね返した。

 明治6年、政府は2月11日を紀元節と定め、国を挙げて祝うことにした。西洋列強の力を目の当たりにした当時の日本は、植民地にされるかもしれないという脅威の中で近代化が急がれていた。紀元節の制定には、いま一度建国の意義を学ぶことによって、国民に一致団結を呼びかける意味があったことに改めて思いを致したい。

 先の敗戦で紀元節は廃止されたが昭和41年、これを引き継ぐ形で建国記念の日が祝日法に定められた。「建国をしのび、国を愛する心を養う」とうたわれてはいるものの、国民こぞってより良い日本を築きたいと願う雰囲気になっているだろうか。政府主催の記念式典は今年も開催されない。」

ほぼ正反対の立場からの社説です。

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中日は一本物です。
「「象徴としての行為」とは、それを具現化するためのいとなみであるといえよう。だから憲法に規定はないが、国事行為とも私事とも異なる重要な公的行為となる。

 国民に寄り添い、苦楽をともにする。各地の被災地を見舞い、アジアの各国を慰霊のために旅をする。それら公的行為にこそ、天皇の象徴たりうる意味がある。

 この公的行為が象徴性を支えていると考えるのが自然であろう。逆に言えば、どこにも天皇の姿が現れなくなり、国民の視界から天皇は消えれば、国民は象徴として考えにくくなりはしないか。

 高齢のために象徴としての行為が十分にできなくなる-。そのため退位を望まれた天皇のお気持ちは十分に理解できる。人間誰もが高齢になれば活動量も落ちる。そのように考えると、一代限りの退位でよいのか疑問が湧く。

一世一元は明治から

 一世一元の体制は明治からで、それ以前は退位はしばしばあった。現在も西欧などの王室では高齢による退位はいくつもある。共同通信が一月下旬に行った世論調査では、政府が検討する一代限定の特別法への支持が26・9%で、恒久制度化する皇室典範改正への支持が63・3%を占めた。

 世論調査はむろん一指標だとしても、また時間の制約はあるにせよ、この議論に「国民の総意」という憲法要素は不可欠である。」

今の流れは、法的にはいろいろと難しいところがあるから、とりあえず「一代限り」論 になっていると思います。

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