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新書で名著をモノにする 平家物語 (光文社新書)

2012-03-05 06:38:45 | 歴史関連情報
新書で名著をモノにする 平家物語 (光文社新書)



著者は歯医者さん。
それにしては、よく「歴史」を知っています。
この本は、『平家物語』の解説本というよりは、平家物語を通して現代社会をどう見るかという内容です。
平家物語の現代でも通用する奥深さがよくわかるお薦めの一冊です。

Amazonより
出版社/著者からの内容紹介
◎概 要
 「無常」と「普遍」
 「栄光」と「没落」
 人間のたくましさ、バカさを学ぶ、最高のテキスト!

◎内 容
もはや乱世を超えて「末世」の様相を呈している現代社会。
国土は疲弊し、庶民の生活は逼迫しつつある。
無常を感じる出来事も多い。
どう考えても、現代という末世は、幕末維新ではなく、
平家物語の時代に似ている。
朝令暮改をくり返す為政者たち(政府)、
批判するだけで何もしない貴族たち(野党)、
騒ぎ立てるだけで仕事をしない寺院勢力(学者・マスメディア)...etc.
そしてその戦い方は、男たちは刀を振り回す代わりに、
にこやかな微笑を浮かべながら他人を陥れ、陰口をたたき、
陰謀をめぐらし、おろかな大衆を扇動する。
また、戦うは男ばかりとは限らず、
女たちもまた、それぞれの戦いを生きている。
OLも女学者もキャバ嬢も、千年前からいたのであり、
働く女や玉の輿願望といった価値観の対立もあった。
本書では平家物語の登場人物をいくつかの立場・身分に分けて
その心の動きを眺めつつ読み解いていく。
同時に、物語の背景にある、いつの世も変わらない
人間の各階層のドロドロを描き出す。

◎目 次
はじめに 「現在」はいつも乱世
第1章 平清盛は悪人か
第2章 貴族という「官僚システム」の腐敗、平家の変質
第3章 院----「代行」という無責任な権力者たち
第4章 山門・南都寺院という火種----わがままな「知識」と「大衆」
第5章 戦う男を駆り立てるもの
第6章 女たちの物語
終章 「歴史」「物語」の使い方

◎著者プロフィール
長山靖生(ながやまやすお)
1962年茨城県生まれ。評論家。歯学博士。鶴見大学歯学部卒業。
歯科医のかたわら、文芸評論、社会時評など幅広く執筆活動を行っている。
1996年、『偽史冒険世界』(筑摩書房)で第10回大衆文学研究賞を受賞。
2010年、『日本SF精神史』(河出ブックス)で、第31回日本SF大賞を受賞。
著書は他に、『「人間嫌い」の言い分』『不勉強が身にしみる』
『「論語」でまともな親になる』(以上、光文社新書)、
『天皇はなぜ滅びないのか』『天下の副将軍』『テロとユートピア』(以上、新潮選書)、
『日露戦争』『大帝没後』『謎解き 少年少女世界の名作』(以上、新潮新書)、
『千里眼事件』『奇想科学の冒険』(以上、平凡社新書)など多数。
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登録情報
新書: 281ページ
出版社: 光文社 (2011/12/16)
言語 日本語
ISBN-10: 4334036589
ISBN-13: 978-4334036584
発売日: 2011/12/16




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