客観的に見ると北方領土は誰のものですか?
さんの回答はとても勉強になりました。他の人の回答もですが・・・
紹介します。
7月4日、ロシアで改正憲法が発効しました。これによると領土の割譲は一切認められないと言うことになります。ところが、外務省などロシアの当局者によると、今回の憲法改正と北方領土交渉は関係がないと言うことです。なぜなら、日露交渉は国境線の画定交渉であり、領土を割譲すると言う話ではないからだと言うことです。
どういうことでしょうか?
この事実が示しているのはロシア当局には「絶対的領土」と「交渉中の領土」の2つの分類があると言うことです。
よく日本では「戦争に負けたのだから仕方がない」「次の戦争で勝ちでもしない限り返ってくるはずがない」などと言う人がいますが、必ずしもそうではないということを、この憲法改正と北方領土に関するロシア人の態度から見て取ることができます。
もし日本が「南樺太を返して欲しい」という交渉を起こそうとしたなら、ロシアは一切交渉に応じないでしょう。交渉する理由が存在しないからです。「これは第二次世界大戦の結果である」という理由を盾に門前払いを食わせるでしょう。しかし、北方領土は違います。1956年からソ連は帰属交渉に応じています。
なぜでしょう?
それは「第二次世界大戦の結果」という文言に全ての原因があります。
米英ソなどの連合国によれば「第二次世界大戦は正義の戦い」であります。それを高らかに謳い上げた「大西洋憲章」によれば、これは「世界を圧制から救い自由と民主主義を守るための戦い」であり、そのため「連合国は新しい領土などは一切求めない」としています。そして、「枢軸国が戦争などによって他国から奪った領土は全て元の国に返す」としています。この精神は後のカイロ宣言、ポツダム宣言にも引き継がれています。
日本とロシア(ソ連)の関係についていうと、日露戦争によって日本領となった旧ロシア領は全てソ連のものとなりました。
ここで問題になるのが、択捉島から西の島々、いわゆる北方領土です。これは、有史以来一度もロシア領となったことはなく、江戸幕府とロシア帝国との外交交渉によって日本領と定まっていた土地です。
以下は、原文をお読みください。
「大西洋憲章」によると、「第二次世界大戦は正義の戦い」なので、「連合国は新しい領土などは一切求めない」のです。
「枢軸国が戦争などによって他国から奪った領土は全て元の国に返す」としています。この精神は後のカイロ宣言、ポツダム宣言にも引き継がれています。
そうだったんですね・・・。
これは、ロシアのものであるという論理は全く成立しませんね。
納得です。