普段はもう少し人数も多く、自分の順番を待ちながら練習するのであるが、今日は私だけの専任コーチ、マン・ツー・マンの猛特訓である。気温も35℃は越えているのであろう、あっという間に汗が噴出して来る。
呉本コーチの「上手いですよ!最初からこんなに浮き上がりませんよ!上手ですョ!」と褒め上手である。「おだてりゃ、豚も木に登る!」てなもんだ。
人数が多いときは午前中いっぱい掛かって練習、昼食後タンデムフライトになる様だが、今日は出来の良い生徒が一人だけである。4本ほど練習した後、他のメンバー達(体験コースで無い人達)と一緒に標高500メートルのフライト・ポイントに移動した。
いよいよ、鳥になる時がやって来た。
天気の良い日は遠く房総半島まで見れるかもしれないが、あいにく今日は曇り空であった。しかし、眼下に見下ろす家々は遥か遠くに小さく見える。タンデム・フライトとは、二人用の大きなグライダーで、コーチの前にぶら下がる様な形で飛ぶのである。コーチの合図で急斜面を駆け下りて行く。「えー、大丈夫かな?」と思っている間も無く体は宙に浮いていた。
風を頬に感じながら、林の上を飛んで行く。ついに私は風になる。鳥と同じように風に乗っている。「ヤッホー!」と大声で叫んでいた。鷲のように大空を旋回する、鳥になった気分である。
上手になると、上昇気流を捕らえながら遠くへ遠くへ、150㌔も飛ぶ人もいるそうだ。何時間も浮世の事を忘れて、風に身を委ねて漂えば最高の時間である。
次第に高度を下げ、下界の家々を間近に見えるようになる。私が小さい時、夢に見ていた世界は正にこの光景だった。あまり高すぎる所からでなく、地上から50メートル辺りを浮遊している夢であった。ひょっとしたら、45年前に今の私の映像をフラッシュバックしていたのかも知れない?ついに、45年間の時空を越えてやっと記憶が結びついたのだ。
どんどん地面が近づいてくる。地上に降り立った時、ふと、我に返った。
今回も楽しい体験が出来た。呉本コーチが実に爽やかで良い表情をしていた。自分の好きな事をして職業となるのは幸せな事である。 つい、もう直ぐ高校を卒業する長男とオーバーラップしてしまう。彼にも自分の納得する好きな道に進んで欲しい物だ。
上野駅から「フレッシュひたち」で約1時間、石岡駅で下車、此処からバスに乗り換え、バスの中の乗客は私一人だけ、最初から最後まで貸切状態であった。通勤通学時間から外れているとは言え、こんなにお客様が居ないのでは大赤字路線であろう。バスに乗っていて途中から「ピー」という妙な音が聞こえてきた。「エッ、耳鳴りかな?」と思ったら、運転手さんが「すみません、水温計が非常ブザーを鳴らしていまして?」と、どうもオーバーヒート気味である。漸く柿岡車庫に辿り着いたが、バスの下からいっぱいの水が漏れていた。
エアパークに電話して、柿岡車庫まで迎えに来て貰う。颯爽と現われえたのは「呉本君」笑顔の爽やかな好青年だ。「一年前のダイムの記事を見ていて、今回来たのだ。」と言うと「その記事に載っているのは私です!」と喜んでくれた。15分ほど で、エアパークに付くと番犬がお出迎え。
最初に申し込みと承諾書にサイン。(今のご時世、訳の判らない事で経営危機に陥る事もあるのだ。)私が申し込んだのはチャレンジ・タンデムコース 12000円。
一日の流れをビデオで学習、ビデオの中の体験者の顔はどの顔も幸せで嬉しそうだ。専用の靴に履き替え、いざ出陣。エアパークの直ぐ近くにある斜面へ、まずは準備体操から。
パラグライダーを広げてみると随分広い、巾10メートルほどもあるだろうか?パラシュートの様に1枚の物と思っていたが、2重構造である。前方から空気を吸い込む取り入れ口があり、そこから空気が入ると飛行機の翼の様な形になる。グライダーの下に無数のヒモが下がっており、そのヒモの先にハーネスという人間を乗せる袋が付く。至って簡単な作りである。 装着した時は、甲羅を背負って丸いヘルメットというと、亀みたいである。
さて、いよいよ練習開始だ。両腿と胸に3点シートを装着。教わった通りに両手にラインを持ち、名前を忘れてしまったが?ハンドルの役目とブレーキの役目をするヒモを持つ。向かい風を受けながらスタート。1m2mも進むと直ぐにパラグライダーが風を孕み浮き上がる。此処から抵抗を感じながらグイグイ進んで行くと急に体がふわっと持ち上がる。
「アレッ?ヤッター、ヤッター」と心の中で叫ぶ。宙に浮いたまま自転車を漕ぐような形で足を回し続ける。コーチの合図でブレーキラインを下に引っ張ると着地だ。
思っていたより簡単に鳥に成れるぞ!ムフフ」
つづく
福ちゃんとワイワイガヤガヤの後、新幹線で東京に移動した。ホテルを御徒町に取り、来年に向けての、新しい作品の打ち合わせをする。
今回は一日、時間調整のOFF日である。以前から、計画をしている、「山手線1周ブラリ歩き」か?パラグライダーの体験か?どちらにしようか?迷ったのだが‥‥一年前に雑誌「ダイム」の中でパラグライダー教室の記事を見つけていた。http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20071003
ホームページ http://www.airparkcoo.jp/index.htm を開いて、情報を確認。恐る恐る電話をしてみると、感じの良い男の人が丁寧に応えてくれた。
「体験コースの事を聞きたいのですが?」
「どうぞ、何でも聞いてください。」
「服装は、どんな格好で行ったら良いですか?」
「一応、長袖長ズボンで、動き易い格好でしたら良いですよ。今は暑いので結構汗をかきますから、着替えを持ってこられたほうが良いですよ!」
「体重制限はあるんでしょうか?」
「それは大丈夫ですよ。体重によってセールの大きさを変えますから」
「あー、そうですか?良かった。 東京方面から電車で行くのですがどう行ったら良いですか?」
この後、丁寧に行き方や時間などを教えてくれた。最後に「ネットから予約してください。」といわれて、申し込みをする。
慌てて、「長袖のシャツを買わなくては」 と、近くのアメ横に走る。時期が時期だけに暑い最中なので、どの店も半袖シャツばかり、「何でも良いから!」と、ジャージの上着をゲット。そして、明日の空から見下ろす風景を想像しながらビールを飲む。
翌日、遠足前の子供のように朝の4時からおきて、そわそわ、そわそわ、時間つぶしにパソコンでこのブログを書いている。6時からお風呂に入って、7時前にホテルを出発予定、上野発のJR常磐線に乗り、石岡駅下車。
いよいよ、パラグライダーに挑戦だ!
今回の出張先に持ってきた物の中に「タカジンのバー1・2・3」というDVDがある。タカジンというのは関西の芸人(本人は歌手と言っているが)「やしきたかじん」である。
東京地区以外の全国放送で流れている「タカジンのそこまで言って委員会!」が面白くて、タカジンの歯に衣を着せぬ言い回しや、ゲストの遣り取りが面白く嵌ってしまった。今回は15年ほど前に放送されていた「タカジンのバー」という番組が再編集されてDVDになっている。深夜の時間帯に放送されていた番組で下ネタから、言ってはいけない固有名詞が頻繁に出てきたり、本人がバーのマスターとして飲みながら、酔いながら、かなり際どい番組である。男の人にはお奨めの番組である。
あほなことばかり言っているのか?と聞いていると、中には、人間の本質に触れた様な事を言う。ゲストにビートたけしが出ていたが、破茶滅茶な芸人生活の中にも、「この事だけは絶対に嘘つけない!他の事は滅茶苦茶でもこの一つだけは嘘つけないというものがあれば良い!」などと聞くと、自分の人生にオーバーラップして考えてしまう。
タカジン自身の生き様が、とんでもない無茶をしたり、破天荒な芸人としての魅力になっている。我々庶民から見ると羨ましい限りである。
是非、お奨めのDVDであるので、男の人は是非借りて見てみると面白い。
もう一つ、嵌ったのがジェフリー・アーチャー作の小説、「ゴッホは欺く」である。外国の小説は出演者の名前が覚えにくくて、何度も「この人誰だっけなー?」と行きつ戻りつするのだが、この小説はテンポも良く引き込まれていく。寝る前と休憩時間に嵌ってしまった。j・アーチャーの本で最初に読んだのはもう何十年も前になるが、「百万ドルをとり返せ!」という、コンゲームの物語だ。詐欺の話であるが血なまぐさい所は全く無く、悪党を最後に出し抜く爽快さが忘れられない。
最近、はまっているのが「数独」2年前にフランクフルト空港で「SUDOKU」と書かれたパズルを見つけ飛行機の中で10時間はまり込んでしまったものだ。世界的に「ナンバープレート」とも呼ばれ大人気である。一時離れていたのだが、また、遣り出したら止まらない。子供がゲームにのめり込むのと同じだ。簡単な問題では、段々飽き足らず難しい問題に進んで行く。解けないと面白くないが、簡単に解けても面白くない。困った物だ。前回はまった時は初級編から始まり、最上級編まで進んでいった。
今回は更に難しく自分でルールを決めて嵌っている。今までは、候補になる数字を書き込んでいったのだが、今回からはすべて頭の中だけで考える、メモを取らない!筆算と暗算の違いである。これだけでも、相当ハードルは高くなり、脳みそが汗をかくのが判る。1問解くのに1時間以上掛かる。1冊の本で1ヶ月くらい遊ぶことが出来る。出張の時のお供として、離せない存在だ。
「趣味は?」と聞かれたら、今は「数独」と答えようか?ウォーキングと答えようか?
子供のとき、よく夢を見た。その中の一つに「空を飛ぶ」夢である。私の場合は平泳ぎをする様に両手を一生懸命に動かしていると、フワッと宙に浮くようになり、その後は地上2・3メートルから徐々に上がって行き、10メートルくらいの高さで、水の中を泳ぐような感じで飛んでいる夢である。潜在願望なのかも知れない!何度もこの夢を見た覚えがある。
人類始まって以来の願望なのかも知れない「大空を飛びたい!」
いつも読んでいる雑誌の中にこんな記事を見つけた。
「庶民の夢」 大空を翔びたい。まさしく、私の少年時代からくすぶっていた夢だ。飛行機にはいつも乗っているのだが、体感というか?鳥のように大空を舞ってみたいのだ。この記事によると、パラセールの体験学校で初心者でもOK。簡単な基礎訓練とインストラクター付きで500メートルほどの高さまで飛ぶことが出来るようだ。料金は12500円。本格的にやろうと思えば何回も通って、免許を取り、費用と時間をかけて自分一人で飛べるようになる事もできようだ。それば一番良いのだが、物理的に金銭的に少し無理があるかな?取り合えず、体験コースだけでも受けてみたい!http://www.airparkcoo.jp/index.htm
このパラセールの学校は茨城県にあり、上野から1時間ほどでいけるようだ。丁度、今月9日から15日まで上野の松坂屋へ出張がある。16日(火)の帰る日の午前中に時間があるので早速行ってみようと調べてみた。
残念!
火曜日は休みであった。
よーし、「ブー、フー、ウー」集合だ。来年はブーフーウーのメンバーでお空の散歩に挑戦だ。福ちゃん、多田さん、こんな企画はどうでしょうかね?