今回の大分帰省はタイトなスケジュールである。妻に言わせると「5泊6日のお帰りだね!」と言う。実際は5泊4日の内容だからますます忙しい。県外県内からのお客様も多く、イタリアの会議、工房の月一回のミーティングなどなど溜まった事務仕事をこなすのと、寝る間も無いほど忙しい。
そんな中、岡崎先生が片道30キロの道のりを50ccバイクでやって来てくれた。もう、75歳なのに大丈夫?元気が良い。岡崎先生の作品は、顔の威喝かしさからは想像も出来ない繊細な花篭、盛り篭などを作られる。60年にも及ぶ竹細工の技術には本当に感心させられる。「微塵編み」と言う編み方が岡崎先生を代表する編み方になるのだろうが、細い細い巾0.5ミリほどの長ヒゴを縄目によりながら、ラセン系に編み上げていく、透かし編みの高度な技術が居る編み方である。今は、この微塵編みを受け継いでいる作者は居ない、先日から、うちの工房の遠藤君が微塵編みを教えて貰っているが、岡崎先生自身も「今の内に、この技術を若いものに伝えて置きたい!」と仰る。
「散歩がてら、ちょくちょく遊びに来るぞ!」と言って、バイクに跨り、元気に帰っていった。
午後は恒例の月一回の大掃除とミーティング。今年は新人さんが3人増えたので、総勢18人とだんだん大きくなってきてしまった。全員が一人1台の車で来ることになるので、内の駐車上にも我家の分も入れると20台ほどになる。
このミーティングの時だけは全員集まるので工房も賑やかになる。ミーティングで現状を報告し、全体の方向付けの決定を説明していく。お客様の声、何が求められているのか?何処にクレームがはいっているのか?などなど、その部分が人ごとになってしまうと、作品の質はどんどん落ちていってしまう。一番大切な事で、これが出来なければ生き残っていくことは出来ないと思う。具体的に、「誰々の、この作品のここが悪い」などと、本人は少し聞き難いかも知れないが、一人のミスでなく、全員が気を付ける具体例として話している。みんなの意見を吸い上げ、少しでも工房が良くなる様にしていきたい、「工房オンセ」は私個人の者でなく、全体で作り上げていると思っているのは私だけだろうか?