毎年、大晦日に青竹のお箸を削る。新年に向かって真ッサラな、みずみずしい青いお箸で正月を迎える。
「一期一会」青竹の青さはほんのひと時である、時間とともに青みが抜けて緑色が黄緑色へと変色していく。茶席を設ける主はお客様の事を思いながら、お箸を削ったという。事前に作り貯めすることはできないので、時間を考えて最高の状態でお客様を迎えることを考えたそうだ。まさし く、 ほんのひと時その場でその出会いを!私はいつも真竹をカンナで削って青竹箸を作る。孟宗竹では美しい色目と艶が出ないのである。ぱっと一目見たときの美しさといったら言いようがない。 丁寧に巾と厚みを揃え、その後切り出しナイフで面取りをする。この面取りでお箸の表情が決まる、優しくそれでいて凛とした美しさが保たれるように! お箸を削るのが一番神経を使う。簡単そうに思えるかもしれないが、簡単に見える仕事ほどごまかしが利かなくて難しいのです。
今年も多くの方々に支えられて一年を終えることができました。本当にこの一年の一期一会にありがとうございました。