高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

出来上がりました。

2014年12月28日 06時11分27秒 | 青竹箸
3日かけて、ようやう出来上がりました。



一生懸命、削ったかいがあり、美しい青竹箸が出来上がりました。

新春の食卓を彩る青竹箸。

お正月には、欠かすことが出来ないアイテムです。

茶道のことわざに「一期一会」という言葉がありますが、

『あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう』と言う意味の、千利休の茶道の筆頭の心得である。

青竹箸は、この言葉が一番解かりやすい品物である。

青竹の鮮やかな色合は、空気に触れているとどんどん色が覚めて行きます。
この美しさは、一瞬しか無いのです。
その為、利休はお客様を迎えるに当たって、前日から竹を切り出し、茶席の直前に、お使い頂くお客様を思いながら、箸を削ったと云います。

「最高の色合いで、思いの籠もったお箸を使って頂きたい!」と、


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お正月用 青竹箸 2

2014年12月26日 05時58分47秒 | 青竹箸
>昨日は、お箸を削る前の竹の選別について書きました。
今日は、お箸の削りです。

選別を終わった竹を まず、節の所で切りそろえ、長さを23センチにします。
次に、2本に割ります。

ここからは、1ペアごとに、輪ゴムで止めて、組み合わせが変わらないようにします。
竹は、1本1本、部位によっても微妙に色が違います。違う部位の竹を組み合わせて、1膳のお箸を作ると、しっくりこないのです。
一行程、一行程ごとに、輪ゴムで止めてペアを間違えないように・・・・

切り出しナイフで、ある程度の形に整えます。



この写真をクリックすると、動画がリンクしてあります。

簡単そうに削っていますが、実際はなかなかどうして、真っ直ぐに削るのって難しんですよね~。

形が整って来たら、今度は鉋を使ってお箸の形に削りだして行きます。



この写真をクリックすると、動画がリンクしてあります。

こんな感じで仕上げたあと、最後に切り出しナイフで面取りをして完成です。

お箸一膳を作るにも、本当にいろんな工程が入ります。


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お正月用 青竹箸 

2014年12月26日 05時53分49秒 | 青竹箸
今年も、暮れも押し迫って来ると、竹藪に行き青竹を切り出してきます。


青竹箸を作るには、まず、青々とした美しい竹を切り出してきます。
これは、竹藪に入って自分の目で確かめて切り出すしかありません。
太くて、真っ直ぐに伸びた竹を選び出します。お箸に出来るところは、厚みのある元竹の部分を使います。
切り出す時も、表面に傷が付かないよう注意して、
竹藪から運び出します。


次に、割り込みをした後、歪んだ竹を排除していきます。
左の3本は、お箸には為りません。
竹って、真っ直ぐに見えて、結構曲がりがあるのです。


次に、反りを見ていきます。
これは、上向きに反った竹と、下向きに反った竹ですが、
こういった竹もお箸には為りません。

こうやって選別していくと、1本の大きな竹から、お箸の材料になる所は、50膳分も取れません。
まだ、これから作業が進む内に、選別されていきます・・・・。
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青竹切り

2009年12月18日 09時19分52秒 | 青竹箸

今年も年末のあわただしい時期に竹薮に入り、青竹を切り出しに!
毎年切らせていただくのは、工房のメンバーの「I」さんの持ち山。ここは、安心院町の中でも太くて伸びの良い真竹が取れる所である。

Cimg1487 青々として美しく、真っ直ぐに伸びた竹を探す。竹は古くなると、節の下のところがだんだんと茶色くシミの様な色が付いてくる。竹ヒゴにするのであれば、別に問題は無いが、青竹箸はこの美しい青さが命、少しでも、シミや傷があっては為らない。

節を入れずに作れば、随分簡単に出来る。

まず、竹は節の所で微妙に曲がっている。この、曲がりがあると、真っ直ぐなお箸を作る事が非常に難しくなる。
次に、節の所が高くなっている。平坦ではないので、削るにしても、鉋をかけるにしても、この部分に手間を取られるのだ。
次に、節の所は硬いのである。

節が入っていない「無節」のお箸と、箸の最後の所に節を入れる「天節」のお箸とでは、作る手間は、3倍以上大変になるのだ。

それでは、「何故、節を入れるのか?」

やはり、「竹には節が在る事が自然で、竹の一番大きな特徴は節なのである。」
という自分の中での「こだわり!」

竹は節がある事で、一日に50センチも60センチも成長する事が出来る。
竹の中は空洞であるが、節がある事で、形を保っているのだ。
木の様に毎年少しずつ大きくなるのでなく、ほんの3ヶ月ほどの間に、10数メートルも成長する。

この良しに付け、悪しきに付け、節が大きなポイントになって来るのだ。

それと、青さへのこだわり!
やはり、美しくなければ為らない!
Cimg1498 お正月に新年を迎えるにあたり、凛とした緊張感が漂う空気を作ってくれるのだ。
瑞々しい深緑の色彩。(一般的に青竹と言っているが、青では無い。深緑を青と表現しているのだ)

今年は、私にとっても、大きな転換の時期であった。今、新たな自分に挑戦中である。
そんな時にこそ、この青竹箸で新年を迎えよう!

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名入れ箸  4

2009年11月29日 06時11分11秒 | 青竹箸
朝、メールのチェック!

昨日、名入れ箸が届いたお客様から、お礼のメールが



竹工房 オンセの皆様



お箸、今朝無事こちらに届きました!
1本1本丁寧に彫られていて、箱を開けて二人で歓声をあげてしまいました



プレゼントを開いたゲストのみんなの顔を想像すると
早くも嬉しくなってしまいます
これから来月の式に向けて
心こめて一生懸命ラッピングします



お手紙も添えてくださりありがとうございます!


名前はその人にとって大事なものだから
間違えては失礼と思い添え書きさせていただいたのですが
オンセの皆様に感謝されるとは思ってもみませんで・・・・・・





まだ、内容は続くのですが、



このお客様、来月ご結婚。
披露宴のゲストの方々への引き出物の一つとして
ゲストのお名前を彫った「名入れ箸」をご注文下さいました。  


オメデトウございます。(*^^)//。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆オメデトォ



本当に気が付くお嬢様で


彫るお名前の横に、読みにくい漢字の説明が書かれていました。


漢字、特にお名前の漢字は独特なものがあり、
その上パソコン表記になると、ますます判りにくくなることがあります。



パソコンを通して、相手の人柄が伝わってきて、

「この人は、絶対に素敵な奥さんになるー!」
「絶対、幸せになるー!」  って応援しちゃいます。


今回の様に、心が通じ合った遣り取りが出来ると本当に嬉しくなります。




いつも自分磨きを忘れない、素敵なあなたの記念日に、匠からの贈り物。   
http://www.take-once.com/SHOP/nairehasi-yuhu.html



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魑魅魍魎箸 ?

2009年11月18日 06時32分55秒 | 青竹箸

昨日、ネットを見ていると、面白いブログを見つけた。
「魑魅魍魎箸?」とある。「えっ、魑 魅 魍 魎 ?何か、見覚えがあるぞ!」中の記事を読んでみると、昨年広島の三越で、私の所で、「名入れ箸」をお買い求め頂いたお客様のブログであった。

Photo この名入れ箸には、お客様に言われて、その場での一発勝負なので、制作する側も、結構緊張するのだが、オーダーするお客様も、いろんな事を考えて、ご注文下さっているのが、良く判る。家に帰ってからの、ご主人との遣り取りも、実に面白く想像させてくれます。

写真の撮り方も、とっても上手なんです。

早速、メールを送り、このブログで紹介させて頂く事にしました。
快く、承諾下さりありがとうございました。

極私的本棚:魑魅魍魎箸 より

今日は広島三越店で開催されている「竹工房オンセフェアー」に行ってきました。
竹工房オンセを主宰されている竹芸の伝統工芸士である高江雅人さん。
それは美しい鶴模様の波網代編みを氏のブログで初めて目にして以来,ずーっとずーっとファンなのです(〃▽〃)。

春からずっと楽しみにしていたのですが,どきどきしながら三越店へGO♪
ああもう素晴らしい作品の数々に感動の嵐です(T▽T)。
本当に綺麗…。そもそも竹の1本1本の処理からして違う。
そこらへんの一般的な竹製のバッグだとよ~~く見たらバリの1本でも立っているのですが,それが全くない
そこらへんで売っている竹製品とは雲泥の差です。本当に美しい。
あぁ美しいなぁ…幸せだなぁとしみじみ堪能したあと,目的のもの,「竹箸 由布 」をゲット♪
サイトの説明にもあるように,とにかく使いやすいらしいのです。
京都で買った竹のお箸がずいぶんへたってきたので,かなり前から欲しかったのですが,広島にオンセさんが出張されたときまでずっと我慢していたのには理由があって。

オンセさんではこの竹のお箸に名前を入れていただけるサービスがあるのですが,私…名前ではなく,四字熟語が入れてほしかったんですよ。

「魑魅魍魎」,と(爆)。

だってね,せっかく目の前で竹を削っていただけるのなら,最高水準に難しいテクニックを見学したいじゃないですかっ(笑)。
さすがに無理かなぁと思っていたのですが,「いや,彫りますよ」と言っていただけたのです。うっそ~~~~!!!!(゜∀゜)

竹ですよ,竹。竹のお箸(幅約7ミリ)にルーターで「魑魅魍魎」!!!

「魑魅魍魎」と「臥薪嘗胆」を本当に彫ってもらっちゃいました,私…( ;‘e‘)。

完成してみると,すごく綺麗…。なんだか魑魅魍魎なのにアラベスク模様のよう。
しかもこんなに細かいのに,文字がつぶれていません。表面が欠けてもない。
あ,あ,アンビリーバボー…。
日本が世界に誇る工芸品の底力をちょっとだけ垣間見たような気がします。
本当にありがとうございます。宝物です。
今日は本当にいいものを見させてもらったなぁ…(´ー`)。

ところでこれを家族に見せたら,旦那が「へ~~~…すごい…」と大抵馬耳東風なのに珍しく感心してました。
「…で,俺の箸にはなんて書いてあるの?」と聞かれて焦ったのなんのって。
だって…書いてもらってないんだもん(爆)。
とにかくシンプルですっきりしたものが好きなやつなので,彫刻を入れないほうが好みなのかと思っていたのですが,帰ってきて見せたら「なんで俺の分だけ何も彫っていないんだ~」と意外なブーイング。なんてこったい…(´・ω・`) ショボーン

で,しつこく旦那はパソコンで四字熟語一覧を眺めながら「『画竜点睛』もいいなぁ…あっ『風林火山』もいいなぁ…」と呟いています。
「おー,『酒池肉林』もあるぞ!『放蕩息子』っつーのも楽しいだろうなぁ( ´∀`)」

…おい待てそれはちょっとアレだろう…┫ ̄旦 ̄┣

とっても楽しいブログ、ありがとうございました。

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横浜高島屋 2

2009年03月22日 06時41分41秒 | 青竹箸

毎日、毎日、次から次へとお客様が入ってくる。「いったい何処が不況なの?100年に一度の経済危機とは何処の話なの?」と思えるほど、沢山のお客様で賑あっている。高額な家具が売れたかと思えば、あちらではアクセサリーが、こちらでは、次から次へとアルバイトの女の子がレジに走っていく。

私の所はどうか?というと、おかげで前年を充分クリアーしている。「高額なバッグが次から次へと」という訳にはいかないが、お箸など小物類は本当に忙しい。毎日、販売点数を見てみると、150点を越えているではないか!

この「名入れ箸」を売り出して3年目である。やっと、このお箸にもお客様が付いてきたのだ。昨年買ってくれたお客様が「あなたが来るのを待っていたの!」「他を探しても何処にも売っていないから!」「去年買ったのだけれど、他のお箸が使えなくなってしまった!」と、昨日も、「昨日お父さんが買ってきたのだが、あまりにも使いやすいので家族分買いに来たの!」と奥様が家族全員の十数膳買ってくださった。

「チリも積もれば山となる」のことわざ通り、1本1本は小さな金額でも、毎日確実に売れてくれる。高額なバッグはその日その日で、当たり外れがあるのだが、コンスタントにヒットを打ってくれるイチローの様な存在なのだ。

買い求めやすい値段で、竹製品を使って頂き、竹の良さを知ってもらい、身近なものとして使って頂く、竹のファンを増やしていくことが大切だと思っている。

竹工房オンセ

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青竹箸 5

2008年11月23日 07時25分11秒 | 青竹箸

1118_0041いよいよ、青竹箸の製作も大詰めになってきた。綺麗に洗ったものと、簡単に汚れを落としたものでは、こんなに違う。洗ったばかりに見てみると、ほとんど違いは無いのであるが、表面の水が乾いてくると大違いである。

青竹箸、美しさが命。

1膳分になっている竹を2本に割り、まず、切り出しナイフで1本1本が真四角の状態にする。全ての作業の途中途中で、ペアーになっている1本1本を輪ゴムで縛り、色が抜けないように水に浸けてく。何故こんな面倒臭い事をするのか?と言えば、同じように見えて、竹1本1本の色が微妙に違う。又、節の位置や形がホンの少し違うからだ。1組づつ、ペアーを作って置かないと見た時の感動が無くなってしまう。

Img_0748今度は、1組づつを手カンナで削りだしていく。竹の歪み、曲がりを何回も見ながら、先端から元まで、置いた時にピシッと揃って、凛とした美しさが無ければいけない。

Img_0759 削り出したお箸に、最後の面取りをする。研ぎ上げた切り出しナイフで息を止めて一気に削っていく。途中で手を休めると、どうしても段が付いてしまって美しくない。持った時の手触りと見た目の優しさを、面取りがするのだ。

乾いた竹を作るのより、数倍手間と神経を使うのが、この「青竹箸」である。

竹工房オンセ

Img_0766

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青竹箸  4

2008年11月21日 08時44分58秒 | 青竹箸

1116_0041 山から切り出した青竹を一節ずつ切り、お箸1膳づつの太さに割り込んでいく。この時使う道具が「菊割り」である。上から見た時に、菊の花のような形に見える道具なので、こう呼んでいる。

1116_0071今度は、割った竹の選別である。どの竹でもお箸になるのか?と言えば、NOーである。まず、「曲がり」を見る。この曲がりの入った竹を無理に削って、お箸にしても、後から必ず歪みが出てくる。次に「反り」を見る。これも曲がりと同じで、真っ直ぐな材料を選らば無くてはならない。その他、色や傷などを見ながら選別していくと……

1116_0141 左が合格品。右が失格した材料である。大体、三分の一くらいしか残らない。

節を頭に残して、お箸の長さに切る。この後、一本一本を丁寧に洗っていくのだ。「スコッチブライト」の様に研磨するスポンジで洗うと、あっという間に表面に傷が付き、折角の青竹の美しさが台無しになってしまう。普通のスポンジで丁寧に洗った後、布で、傷が付かない様に摺り上げていくと美しい青さが残っている。

竹工房オンセ

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青竹箸  3

2008年11月15日 07時56分01秒 | 青竹箸

151正月用の青竹箸で結構な注文をいただいたので、「これは行ける!」と感触を掴んだ。「この部門を育てていけば、大きな市場に成るのでは?」と考えた。そこで最初に浮かんだのが、結婚式の門出の席に青竹箸でお祝い出来たら嬉しいのでは?と考えた。これだったら、事前に注文数も判るし、まとまった数の注文になる。

考え始めたら、どんどんスケールが広がって行く。頭の中では、もう結婚式場と契約できた様な気になっているのだ。卸し価格で作ったにしても、一つの結婚式場で最低一日2組だとしても、一組100人×30日、人口10万人に付き1軒の結婚式場としか契約すると、計算していくと……。全国規模で計算していくと単純計算で、お箸だけでも年商何十億と言う事になる。

クーラーボックスに、青竹箸を入れて結婚式場や料亭を営業して回った。しかし、現実は甘くない!1週間も営業して、全然注文が取れない。一番の原因は、「1膳数円で使っている箸にそんなにも出せない。」私の中では、「こんな素晴しい物で結婚式を演出できたら、お金の問題じゃ無いでしょう!」と思い込んでいるのだが、現実は冷たかった。その他、「管理が難しい」とか、「もし、お箸で食中毒でもおこしたら?」など、生ものであることへの不安が大きかった。

51 営業と同時に生産体制も見直さなければならなかった。全国的な展開をする事を前提に考えると、とても、手作りでは無理なので、ある程度機械化を計らなければならない。手始めに、機械にかける前の段階の、巾と厚みが揃った箸の元材料を作る為の機械を作った。ある程度に割った竹をトコロテンを押し出すような形で、箸1本分の角棒の様な形にする機械だ。単純な機械だったが、30万円くらいかかった。しかし、いざ本番で青竹を機械に通してみると、押える圧力で青竹の表面に微妙な変色が出てきたり、押える圧力を少なくすると、断面が真四角でなく、平行四辺形になってしまったり、などなど難問だらけであった。

結局、この「青竹プロジェクト」は最初の生産と販売両方で上手く行かず、30万円の失敗だけで済んだ。トホホ。    後から聞いた話では、お箸の専門メーカーが国の補助金を使って、青竹箸を削る機械を作ったそうだが、1000万円くらい掛かったそうだが、未だに製品になったと聞かないので、どうなった事やら?

しかし、この事から得る事も沢山あった。前向きに企画すること、現実の飛び込み営業の体験、量産することの難しさ、何より、自分の企画が上手くいくか?いかないか?という経営の面白さだ。  また、今も懲りずに、来シーズンに向けて新しい作品への試行錯誤をしているのだ。

竹工房オンセ

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青竹箸 2

2008年11月14日 08時27分42秒 | 青竹箸

竹細工を始めて間もない頃、知り合いのお店の前の空き地でフリーマーケットが行われた。私も、まだ、竹細工を始めたばかりで、お祭りの遊び気分で、ゴザを持ち出し、近所で切り出した青竹を車に積んで、お客さんの目の前で切り出しナイフ1本でお箸を削っていく。  

それから、10年ほどして、青竹箸2膳に竹筒をつけて、「正月用の青竹箸」として売り出した事もあった。この時は家庭画報のインフォメーションに小さな記事として載せられた事もあり、2000セットほど売れた。これは実に大変であった。10月から竹を切り出し、お箸を削っていく。青竹なのでそのままにしておくと、青味が抜けたり、カビが生えたり、変色する。その為に、箸を削っては水桶に付け水分が抜けない様に、水桶から出したら、すぐに水をふき取り、一膳一膳ビニール袋に入れ冷凍するのだ。冷凍温度が低すぎると、低温焼けしたり、箸の中の水分が凍ってお箸をひび割れさせてしまったりと、神経を使う。この時にアイスクリームを入れる業務用の冷凍庫を買ったのだ。

161 12月に入り、竹筒用の青竹を何十本と切り出し、真冬の寒い中、手を凍らせながら竹を洗ったのを思い出す。年末は、お箸と竹筒を化粧箱に入れ包装する。本人宛だけでなく、プレゼントもあったので、注文の品物と送り先を間違えないように気を使った。クリスマスの夜も、家族全員で夜遅くまで包装していたのは、今となっては良い思い出である。クール宅急便で発送するのだが、鮮度の青さが命。蓋を開けた時、緑色の竹が出てきたら感動するよね!          つづく

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青竹箸  1

2008年11月13日 09時06分27秒 | 青竹箸

1112_0101 年末に「青竹箸」を数量限定で、ホームページで販売することにした。瑞々しい深い緑のお箸は実に綺麗である。新春の食卓を飾るのには最高のアイテムである。

http://take-once.com/SHOP/aotakebasi.html

お茶の世界では、よく「一期一会」という言葉が使われるが、この青竹のお箸にも大切な意味が含まれている。茶席の主人がお客様を迎えるにあたり、裏山の竹薮に青竹を切りに行き、お箸を削ったそうだ。しかし、この生の青竹箸は非常にデリケートで、瑞々しい青色は一瞬しか持たない。 来て頂くお客様に最高の状態のお箸を出すには、大変な神経を使うことになる。

「ホンの一瞬の青竹の美しい時に合わせて、そのお客様を迎えたい。」そんな事から「一期一会」の言葉が込められる。

1112_0131 青竹を切り出しに竹薮に入った。日当たりの良い所の竹は日焼けしてしまい、美しい青さが無い。杉林の中の様な、あまり日が当たらない場所の竹の方が伸びも良く美しい。今年、生えたばかりの竹は美しいが、まだ、芯が無く柔らかい。もう少し、しっかりしてこないとお箸には使えない。3年もの位の美しい竹を選んで切り倒す。使える部分は、厚みのある元の方だけだ。

1112_0431 適当な長さに切り竹薮から担ぎ出す。工房に持って帰り、綺麗に汚れを洗い落とすのだ。

「青竹箸」はもう20年以上削っているがいろいろな思い出がある。                  つづく

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クレームは財産?

2008年10月23日 17時27分23秒 | 青竹箸

先日、「半年前に買ったお箸にカビが生えた!」とお客様からクレームが入った。と、デパートから問い合わせが来た。

私どもの「由布」「鶴見」「五画」箸は、無塗装を売りにしている。「自然のまま、無塗装なので滑らない!防カビ剤などの化学物質は使っていない!」、しかし、何もしていないので、使った後、濡れたままにしておくと当然カビが生えたり、変色したりするのだ。今まで長年、この「使い易い自然のままのお箸」ということで、販売してきたが始めてのクレームである。

私たちにしてみると、「使ったまま置いておけばカビが生えるのは当たり前でしょ。常識で考えたら判るやん。」と思っていた。デパートから問い合わせが来た時は、正直、「何を言っているんだ!塗装してないのだから、悪い状態に放置しておけばカビが生えて当たり前だろう!」とか「無農薬で作った野菜に虫が付いていた。とクレームを言っている様なものだ。」と少しカチンと来た。

しかしながら、少し頭を冷やして考えてみると、「まったく竹に接した事の無い都会の人間にとっては、自然の物は手入れをしないとカビが生えることが判らないのだろう。」と相手の立場に近い状況で考えることが出来た。そこで、そういった人にでも判る「取り扱いの注意」などの しおりや看板を作ることにした。早速、ホームページのお箸のページにも

http://take-once.com/SHOP/nairehasi-yuhu.html 

「竹のお箸の取り扱い方法」と載せることにした。

我々にとって当たり前のことでも、立場の違う人から見ると当たり前ではない事もたくさんあるのだから。と少し勉強しました。

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広島 3 魑魅魍魎

2008年07月31日 08時36分25秒 | 青竹箸

昨日もギラギラする太陽がまぶしい暑い一日であった。三越正面玄関に展開しているので、お客様は沢山通って下さるが、外の熱気も入ってくるので暑い場所である。

そんな中、昨日と同じくネットのお客様の「さとか」さんが来てくれた。私のブログの読者で、毎日見ていて下さる。ブログで私がネスレのエスプレッソ・マシーンを使っている事を知っているので、ネスレのコーヒーをお土産に持って来てくれたのだ。ありがたいことです。

そこで、以前から「名入れ箸」に「魑魅魍魎」と彫って欲しいと書き込みをされていたのだが、私は冗談だと思い「勘弁してください」と答えていた。果たして、この文字で彫ってくださいと差し出された文字は「臥薪嘗胆」(がしんしょうたん)、「えっ、」と思わず顔を見合わせてしまった。「魑魅魍魎は本気だったんですね?」と。

お互い顔は笑っているのだが、目の奥には小さな炎が見え隠れする。

Photo 意を決してこの二つの四文字熟語を彫り始めていると、回りに段々とギャラリーが増えてくる。小さなお箸の一面に、この文字を彫り上げるのは、力が入る。真剣勝負をしているような二人の関係を回りのギャラリーは感じ取っている。全部彫り終わった時に拍手が沸いた。「ムフフ、また、新しい1ページを開いた!」。

と劇画調に書いてしまったが、楽しい時間であった。

竹原市からも、知り合いの「森川」さんも来て下さった。この方は23年前、私が竹原市で始めて竹細工の講師をしていた時の生徒の奥さん、ご本人は2年前にお亡くなりになったのだが、「生前の主人に、生きがいになっていた竹細工を教えてくれた先生」ということで、今でも良くしていただいている。毎年、広島三越で展示会をしていると、竹原市から沢山の竹関係者が押し寄せてくる。

8月4日までやってます。みんな、顔出してね。

竹工房オンセ

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竹箸「由布」

2008年06月18日 05時17分40秒 | 青竹箸

竹箸「由布」が静かなブームを作っている。

お年寄りになって来ると、お箸を握る力が段々衰えてくるのだろう。いろんな所の機能が衰えてくる。お年寄りが「ペー」と言ってタンを出そうとしたり、口からよく食べ物をこぼしたり、気管に食べ物を詰まらせて咽ていたりと、若い頃そんなのを見て、思わず眉を顰めていた。しかし、確実に誰にでも老化は訪れてくるものなのだ。

613_005 今日も老夫婦に竹箸を勧めてみた。塗装のしていない生成りの竹箸はホントに滑らない。こんにゃくをサイコロ状に切り、お椀に浮かべて、使い勝手を体験してもらっている。ツルツルのこんにゃくを箸で摘んでもらうといかに竹箸が使いやすいか判ってもらえるのだ。少し指使いに衰えが出だしてご主人が竹箸を使ってにっこり、お買い上げ頂いた後にご主人から握手を求められた。「何か良い仕事をしてるよなー」と感じた一コマであった。

福岡の満点堂さんも、ご紹介頂いています。今年のスタッフへのプレゼントとして、お名前を彫って!満点通信でも、工芸品企画として取り上げて頂いています。

http://mantenblog.blog90.fc2.com/blog-entry-513.html

そういえば、思い出した。昨年の東急東横店では、「トホホじじい」が来て、いきなりこのこんにゃくを食べようとしたのだった。http://once.blog.ocn.ne.jp/ajimu/2007/06/post_13d5.html#comments 

http://blog.goo.ne.jp/takae_1/d/20070621

残念ながら、6日目まで「トホホじじい」は来ていないので、助かっているが、ひょっとして、最終日の今日、来るかも知れない!

竹工房オンセ

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