バカボンド35
武蔵は、出会った父を亡くしたまだ幼い少年伊織と共に暮らし
慎ましい生活から何かを掴みかける。感じかけるのほうが正しいか。
武蔵の命を狙う集団が現れたり、唯一豊かに稲穂を輝かせている男に
会うが、その男の稲もイナゴの大群にやられる。
そして師範の勧誘にすら武蔵は意に介さない。
武蔵は天から降る雨の軌道に沿ってまずは洪水を堰き止め
次に稲穂を輝かせようと土を耕す
武蔵の口から出した結論は 描き続けた井上氏の結論とも読めた。
天下無双を倒すために旅をする そんな必要はない ここにいる、と。
この境地は悟りの境地か。
こういう、感情の動き、井上氏はすごい。人間内部の感情
感覚そのものをひねりなしで描ききっている巻、個人的に大好きです。
今回は、土の匂いや陽によって反射して煌めく水が画から感じられるようだった。