何かにかかわるなら、徹底して周辺を熟知してからかかりなさい、と。ピアニストがピアノを弾くのなら、ピアノがどういう成り立ちなのか、どういう木を使っていて、鍵盤はどういう素材によっているのか、ピアノの弦はどういう金属を使っているのか等々を研究すべきだ。そこまでかかわってやらないといけない。スヴァトスラフ・リヒテルはそういうピアニストだったんだから。グラフィックも単に表面のデザインだけではダメだ、と。なるほどと納得しました。大変な影響を松岡さんから受けましたね。p.138
臼田捷治『工作舎物語』(左右社)2200円プラス税