(新潮文庫 刊)短編集
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第一話「キャトルセプタンブル」
フランスからの帰国子女として日本の高校へ入ることになった主人公、仲間はずれにはされていないが、深い関係も築けないでいた。そんな時、ギターの音色が聞こえた。主人公には、弾いている演奏者のSOSに聞こえた。
そして二人は出会い、恋の物語はドライブする。
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●ギター YAMAHAの3万円+半ばのギターを購入,親父のGibsonを上手くなったら譲ってもらおう。 コードを弾けるようになるぞ~。まずは『Pink~奇妙な夢~』をアコギで引けるようになるぞ~
●SQL これも深い。
●C# これも深い
●会計 深い
沈みそうだけどタニタニックにはならんぞナ。
関係ない話だけど、ドラッグストアのトイレにはいっているときに広告の放送に聞き耳を立てていたら、目の下のくまにお悩みの方~と聞こえて、目の下のクロズミはヘモグロビンが溜まってできるそうな。女性用の化粧のようだけど、男が使っても問題ないものなのかな。
『モサド前長官の証言「暗闇に身をおいて」』(光文社)
原題は、『Man in the Shadow』
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常に危機と隣り合わせの状態である中東。
その中で諜報という生命線に支えられている国がイスラエルである。
この国の諜報機関の元長官の自伝。
まだ全部は読んでいないが、印象に残った部分
第16章 責任を負うことと責めを負うこと
p.396
~「集団思考」はダメだとは言わないが、情報評価に民主的なプロセスを導入すべきではない。戦略的情報の評価は多数決で決めるようなものではない。諜報機関に集団責任などというものは存在しないのである。
p.404
優れた情報を入手する必要性は明白であり、いまさら強調する必要はあるまい。・・・唯一付け加えることがあるとすれば、すべてをできるかぎり秘密にしておくことである。その種の企ての成否は秘密を保てるかどうかにかかっている。どんなに周到な計画を立て、どんなに有利に事を運べそうな状況だとしても、秘密を保持できぬ者は敗北する。
↑たぶん「~の証言」とタイトルはあるが、この上記の文章が全てを語っているように思う。危機的な状況でどう情報を整理して判断するのか、考え方自体が相当興味深いが。ちなみに、これはジョージ・ワシントンが書いたものだそうだ。ワシントンはアメリカの最初の諜報機関の長官だそうである。
渡辺兼主演『明日の記憶』(東映)をみる。
若年性アルツハイマーの病に蝕まれ、人格が徐々に崩壊していく夫・渡辺兼さんを、奥さんがいたたまれないほど懸命に支えるのだが、樋口可南子さんの演技はかなりよかった。
自分にとってこの二人はまさに理想の夫婦であった。
愛もあるのだろうが、それだけでは旦那を支えられないように思う。25年ともに暮らし、決して短くない、二人だけの間で共有された時間が絆となり、強い作用をこの二人に及ぼしていたように思う。
それぞれの人生、
とはいえ、夫婦は二人三脚で歩むんですな。
オフィシャルサイト 明日の記憶
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重松清『流星ワゴン』(講談社文庫)
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幸せな家族のはずだった。しかし、徐々にいつのまにか崩壊していく。シグナルはあったのだ。それを知りつつも手を打たなかっただけだ。
そこで、幽霊の父子がこの家族の主人公である父親に過去の大切な場面に戻ってそれを認識させていく。
父親の存在は大きい。
物語の設定はかなり悲しい。でも読後の感じはポカポカ温かくなる不思議な物語だった。
人は場面場面で、重要な選択をしている。その結果をどう受け止め、行動するかで結果は刻々と変わっていくもの。それを一番伝えたかったのだと自分は思ったのですが、どうでしょう。
日本は欧米の経済システム、資本主義・市場経済システムを見事に吸収した。しかし、キリスト教の社会に還元するシステムのようなものは無視した。例えば成功者は収入の一部を学校やら協会やらに寄付している。具体的には、ビル・ゲイツはゲイツ・メリンダ財団という組織をつくって教育を受けられない子供に教育を提供している。
だから、利己主義の思想のみが日本には蔓延してしまった。
なかなか説得力がある。大学の統計学の教授が自身の体験エピソードを交えてこのようなことを教えてくれたことを思い出した。
この本のポイントは、
①自分の考えたことを一度止観してみること。
②抽象度を上げて考えてみること。
萩原浩『明日の記憶』(光文社文庫)
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記憶というのは自我なんだ。読んでいる途中でそう思った。
どんな人でもなる可能性がある。淡々と、時にはギャグも交えながら書かれているが、記憶がなくなるという恐怖は半端ではなく本当に恐ろしい。数十年連れ添った妻との関係が壊れていく。娘の旦那、娘の名前・顔さえも思い出せなくなる。そして徐々に自我さえ失われていく。
こんな恐怖を乗り越えるには、心のそこから愛しあう経験を共有している奥さんの存在あるいは旦那さんの支えしかないのではないか。そうした人でさえ困難なのではないかとも思う。しかし、どうしたって周囲の本当に近い存在の人しか支えることはできないだろうと思う。
自我がなくなっても肉体が存在し続ける限り、人間は生きていくことしか道は残されていない。