自己と他者 

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ジェニファー・ライト『世界史を変えた13の病』原書房

2020-05-02 23:46:37 | 小説以外 

12の疫病と1つの誤った治療法(ロボトミー)を扱う。

例えば、

【線ペスト1347年(西ヨーロッパで大流行)】

またの名を黒死病。

症状:リンゴから卵大の大きさの腫れが脇下・生殖器や首にでき、ひどく熱を持つ。

当時は下記のようなデマが治療法として信じられていたそうだ。

・上等ワインを少量飲む
・下水道に住む
・砕いたエメラルドを食べる
・卵・果物・野菜を食べる
・病人をみない
・玉ねぎを家中に置く
・尿・膿を飲む

感染拡大経路:特にノミ→ネズミ→都会(人間社会)と感染拡大ということのようだ。

大予言で知られるノストラダムス(ミシェル・ド・ノートルダム)がこの疫病と闘った一人というのは知らなかった。

1503年生まれ。人類において疫病(165年ローマで発生したアントニヌスの疫病=12の疫病の一つ)

のことを最初に記録したガレノスの本を翻訳しており、

非常に読書家で科学の進歩や過去の医療技術に関心を持っていた。

モンペリエ大学の医学部出身で、薬剤師だったそうだ。この感染症=腺ペストと闘った動機は、

最初の奥さんと二人の娘さんを腺ペストで亡くしたことも関係しているとのこと。

公衆衛生の基礎(下記)を広めたようだ。

①通りから死体を除去

②汚れたリネン(衣類や布団・シーツ)を始末

③煮沸した水を飲む

④入浴(ちなみに前述のガレノスが最初に入浴だけでなく石鹸で体を洗うことを推奨したそうだ)

⑤新鮮な空気を吸う

 外に出て運動をすることは特に環境の良い、田舎では免疫系の強化を期待できる。

疫病から回復した10%の人は頑健な免疫系を有していた。とのこと。

⑥ビタミンC(バラの植物を基にした薬をつくった)

著者名 :ジェニファー・ライト

訳者名 :鈴木涼子

書籍名 :世界史を変えた13の病

    →正しくは12の病と誤った一つの治療法

     ちなみにエイズは入っていない

出版社 :原書房

発刊日 :2018年9月25日311ページ。

価 格 :2500円プラス税