南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
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便利だけどなんか世知辛いね…
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/
2011年04月19日
会社の上司(男性)との雑談。
家での夕食の際、上司の娘さん(高校生)が常に携帯をいじっているらしい。
いま、メールを送ったかと思えば、2~3分後には返事が来る。またそれに返事をすると、またまたメールが来る。
さすがに上司もイライラしたらしく、
『誰とメールしてるんだ。飯食うときは携帯持つな』
と怒ったらしいが、娘さんは
「え、クラスの男の子だよ。メール来たらすぐ返さないと失礼じゃん」
とか言って意に介さなかったらしい。
まあ、今の学生さんは、皆そんな感じなんだろうね(娘さんがクラスの“男の子”と頻繁にメールしてるのが癪に障ったのもあったんだろうね)。
自分が学生の頃なんか、当然携帯電話なんてないから、あの子に電話しようと思えば、家の居間にある電話しかない(まあ、公衆電話という手もあるんだけど…)。
しかも、子機やらコードレスなんていう時代ですらなかったから、話す内容は親にすべて筒抜けなんだよね(笑)。
こちらから電話をかけると、受話器を取るのは決まって相手の家の親御さん。
「こんばんは。夜分に申し訳ございません。○○さんのクラスメイトで×年×組の△△と申しますが、○○さんいらっしゃいますか?」
というふうに電話をかけると「はい、替わりますね」と親御さんが言った後に、必ず
『○○ちゃ~ん、電話よ~』
「は~い」
『はい。(小声で)男の子から』
「もう、いいからあっち行っといて」
というようなやり取りが受話器から聞こえてくる。
そのやり取りに思わず顔がほころび、くすぐったい気がしてくる。
逆に、相手から電話があった場合にも、やはり電話を取るのは私の親。そして
『△△、電話~』
「はい」
『はい。女の子からだよ』
「あーもう、わかったから」
とあっち行けと手振りで親を払いのけたりしていた。
で、電話中、親は聞き耳を立てている訳で、電話が終わったあとには決まって
『何の話だったんね?』
『楽しそうに話してたね』
とか言われて、ウンザリしていたっけ。
だから、学校で
「今夜○時頃に電話するから、親御さんより先に受話器とってね」
とかお互いに決めごとしてたけど、意味もなく電話の前をウロウロソワソワするのも親に怪しまれるし「ああ、もうどうしよう」ということもあったなあ(笑)。
でも、いま考えると、なんか、こういう気持ちってよかったよな…という気がしてくる。
もっと話したいけど、親の手前、言葉を選ばないといけないし…(笑)。長電話になると親に怒られるから、それも考えながら話さないといけないし…(汗)。
ちょっと電話するだけなのに、邪魔や障害がいっぱい(笑)。
でも、なんか甘酸っぱいよね!
ある時、中2くらいだったかな…。
先生が「男女の会話があまりないから、もっと仲良くなるようにしました」とか言って、クラスの連絡網をわざと男子・女子交互の順番で廻るように作っていた。
だから、学校からの普通の事務連絡なのに、家には女子から電話がかかってくるし、自分も女子の家に電話しないといけない。
これは当時の自分にとって、とってもプレッシャーだった。
だから、案の定、名簿の前の女子から電話がかかってきた時には親に
『女の子から電話だよ』
とニヤニヤしながら言われるし(「単なる連絡網だって」といつも怒って言い返してたっけ)、
今度は名簿の次の女子の家に電話すると、親御さんがやはり小声で
『男の子から電話だよ』(母親?)
「へえ、こんな時間に?男の子から電話来たりしてるんだ」(父親?)
とかいう話が聞こえてくる。
そんな風にそれぞれの親に変に勘ぐられるから、翌朝の学校で、連絡網が前や後ろの女子とかえって話しづらくなったりする(これは意識し過ぎかも知れないが…)。
まあ、そんなこともあったっけ。
今は1人に1台、携帯電話がある時代。
いつでも好きな時間に好きな場所で、あの子と電話もメールもできるし、もちろん親の干渉なんて気にする必要もない(料金には気をつけないといけないかも知れないが)。
そして“個人情報保護”とか言ってクラスの連絡網なんかは作られなかったりする。学校からの緊急連絡は、親へのメール一斉送信なんだとか。だから、必要以外にクラスメイトの家にに電話することはないだろう。
まあ、便利な世の中になったと言えばそれまでなんだが。
なんか逆に世知辛い世の中になったような気もするのは自分だけだろうか?
あの頃、緊張しながらクラスの女の子に電話してたあの気持ち…。
そんな気持ちを味わえない、今の子たちがかえってかわいそうな気もするな。
朝ドラの「おひさま」のような、純情・純真な若者がいた世の中が、つい数10年前まで…、いや20~30年くらい前までこの国にもあったのに。
世の中便利になって変わったね。
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