煙でいぶし鬼退散 大山崎・宝積寺で「鬼くすべ」

2011-04-21 12:13:07 | 歴 history
京都府大山崎町大山崎の古刹(こさつ)・宝積(ほうしゃく)寺でこのほど、煙で鬼をいぶして追い払う伝統行事「鬼くすべ」が営まれた。昨年は本番直前に本堂のシロアリ被害が判明して中止となったため、2年ぶりの実施となった。約200人の参拝客は、鬼と一緒に煙に包まれながら厄よけを祈願した。

 鬼くすべは「大厄除追儺式(おおやくよけついなしき)」の別称。寺伝によると、奈良時代の僧で宝積寺開祖の行基(668~749)が、疫病を鎮めるために始めたとされる。シロアリ被害で床が抜け落ち、昨年は参拝客の安全を考慮して中止した。その後、応急修理を施し、今年は本堂への入場人数を制限した上で開催にこぎつけた。

 ほら貝の音が響き渡る中、たいまつを手に、赤、青、黄の衣装をまとった5匹の鬼と、七福神、福娘、導師ら約30人が山門から本堂へ進んだ。儀式の冒頭で東日本大震災の犠牲者を追悼し黙とう。読経の中で護摩やヒバがたかれ、堂内は煙に覆われた。煙にいぶし出され、鬼たちは次々と本堂から退散した。

 続いて本堂の回廊で福娘らが紅白とヨモギの3種類の福もちをまき、参拝客は御利益にあずかろうと帽子を広げて手を伸ばすなどした。寺石典亮責任役員は「伝統行事は続けることに意義があるだけに、再開できてよかった。参拝した皆さんの安泰をお祈りしたい」と話した。

【 2011年04月21日 11時33分 】


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