返礼品廃止後もふるさと納税堅調 長岡京市、森林再生など

2017-12-18 10:58:01 | 護 help
 返礼品をやめ、特定事業への寄付を募る形式に切り替えた京都府長岡京市のふるさと納税で、各地からの納税額が堅調に伸びている。仕組みの改変を受け、前年度比約5倍の大幅増となった昨年度を本年度は既に上回り、15日現在の総額は360万円超。12月は納付が集中する時期となり、市はPRを強化している。

 11月中旬、長岡京市奥海印寺の西代里山公園に、市へふるさと納税した5組が集った。寄付の先は「京都西山再生プロジェクト」。西山でクヌギやエノキの樹木を育て、カブトムシやオオムラサキが息づく森づくりを目指す取り組みだ。この日は、初めての植樹イベントだった。

 一行は、森林整備や動植物の生態について解説を受けながら、植樹場所の西山キャンプ場そばの山肌へ到着。約0・8ヘクタールの区域に30本のクヌギの苗木を植え付け、水をまいた。

 同プロジェクトには本年度、既に約120万円(15日現在)が集まり、昨年度比8万円近くの増額。寄付は、クヌギとエノキの苗木計120本の購入費や食害防止の金網やネットの設置費用、植樹区域の不要木の伐採経費などに充てている。

 夫婦で参加した会社員塚田勉さん(69)は10年前から同市へ単身赴任しているが、住民票は千葉県船橋市にある。「まちにお世話になっているんだから」と妻の泰子さん(70)に勧められて住民税の一部を寄付に回した。「自分のお金が自然保護に使われるのなら意義深い。いつか孫4人を連れて来てみたい」

 長岡京市はこの他、市内の小中学校への図書購入とJR長岡京駅西口のイルミネーション拡充を寄付の使途に設定しており、いずれの事業でも納付額は増加。総額は昨年度と比べて61万円余増え、市外からの申し込みも9件上回った。市総務課は「取り組みの認知度が高まり、中身で勝負する趣旨への理解が広がっている」とする。

 年内の納付額が翌年分の税額控除の対象となることから、例年、12月は納付のピーク。市では従来のフェイスブックなどに加え、新たに、全国のふるさと納税情報を掲載する民間サイト「ふるり」での発信も始めた。

【 2017年12月16日 13時34分 】


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