高齢者の暮らし支え10年、市民サポーター好評 京都・向日

2016-03-07 06:58:04 | 護 help
 京都府向日市内の高齢者の暮らしを市民が支援する「地域サポーター活動」が始まって今年で10年になる。介護保険では対応できないごみ出しや安否確認などのサービスを無料で提供しており、利用者から好評を得ている。半面、地域サポーターの数は十分ではなく、専門職との連携など課題は多い。介護の必要度が低いとするサービスを国が切り離そうとする中、こうしたボランティア活動の重要性はますます高まりそうだ。

 「私は(アイドルグループの)嵐が好きでね。松本君が特に好き」。「デイサービスに行くと楽しいわ」。石橋百合子さん(89)=寺戸町=の軽妙なおしゃべりに、地域サポーターとして自宅を訪れた石原明子さん(74)=同=と岩波愛子さん(68)=森本町=は思わずほほ笑んだ。

 石橋さんはケアマネジャーの紹介で昨年4月から制度を利用している。週1回1時間ほど、サポーターとたわいのない話をするだけだが「元気になれるし、早く来週が来ないかいつも楽しみにしています」。石原さんと岩波さんも「逆にいろんなことを教えてもらえるし、気持ちがほっこりする」と喜ぶ。

 地域サポーターは、元ホームヘルパーの提言で、市民有志が2006年に始めた。活動内容は高齢者の話し相手と散歩の付き添い、ごみ出しで、年間30~40件のサービスを提供してきた。

 実績を踏まえ、市社会福祉協議会が2014年10月に「地域サポートセンターむこう」を立ち上げ、実費相当分の活動費支給や利用者の日程調整などに乗り出した。高齢者の急増で、介護保険事業だけではサービスが賄いきれなくなっているからだ。さらに今後、介護保険の要支援1~2の一部サービスが市町村事業となることもあり、こうしたボランティアとケアマネジャーら専門職との連携はますます重要になる。

 ただ、地域サポーターの数は1月末現在で42人。市社協地域福祉課の木下博史課長は「必要があれば買い物支援など新たな取り組みも始めたいが、今の人数では難しい」と打ち明ける。「まずは地域で孤立している人を受け入れ、自分たちの地域を見直すきっかけにしたい」

 地域サポートセンターむこうは新規会員を募っている。問い合わせはTEL075(932)1961。

【 2016年02月27日 20時39分 】


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