江戸期の念仏信仰に光 京都・平等院ミュージアム

2017-06-29 10:34:08 | 歴 history
 京都府宇治市宇治の平等院ミュージアム鳳翔館で24日、夏季展「魅惑の南無阿弥陀仏-念仏信仰の広がり-」が始まった。江戸時代に念仏信仰を広めた僧侶の祐天(ゆうてん)(1637~1718年)と徳本(とくほん)(1758~1818年)の記した仏の称号、名号などが並び、御利益を求めた庶民の心情が伝わってくる。

 祐天は怨霊を念仏で成仏させたとされ、丸みを帯びた独特の筆跡で書いた「南無阿弥陀仏」の六字名号は火災や水難を避けられると人気を集めた。徳本は2歳で念仏を唱えたと伝わり、全国を巡って念仏信仰を広めた。

 時代は異なる2人だが、それぞれ庶民の熱狂的な支持を集めた共通点がある。また今年が祐天の300年遠忌、徳本の200年遠忌に当たることから、平等院が所蔵するゆかりの25点を展示する。

 祐天が名号を記して開眼した「山越阿弥陀図」(縦144センチ、横81センチ)や、徳本が仏の両手や足などを六字名号で表現した「名体不離阿弥陀如来図」(縦198センチ、横136センチ)といった大型の品をはじめ、当時の庶民がお守り代わりに身に付けていた小型の名号も並ぶ。

 神居文彰住職は「今と同じ低成長だった江戸時代に人々の心を魅惑し、救済を提供した男たちの展覧会を楽しんでほしい」と話している。夏季展は9月15日まで。平等院の拝観料が必要。

【 2017年06月25日 11時36分 】


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